STEP12

アタックリストを作成する

資金調達マニュアル

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アタックリストを作成する

著者

砂川 大

株式会社スマートラウンド

CEO

資金調達におけるアタックリスト

スタートアップに投資をする投資家は日本にも数多くいます。その中から自社が予定している資金調達ラウンドに最適なのはどの投資家かを予め研究し、株主になってもらいたい投資家を順位付けしてアタックリストにしましょう。

  • エンジェル投資家                1000人〜3000人程度

  • ベンチャーキャピタル        200社〜300社程度

  • 事業会社(CVCも含む)        100社〜500社程度

ベンチャーキャピタルの場合はさらに、組織とともにキャピタリスト(担当者)個人の比較検討をする必要があります。ベンチャーキャピタルが提供する価値は、属人的であることも多く、キャピタリストでそれぞれ違うので注意が必要です。また、人間性やフィット感も重要なポイントです。エグジットまでの長い間、伴走者としてサポートしてもらいたい人かどうかを確認する必要があります。

アタックリストを作成したら、優先度の高い投資家の面談の予定を獲得できるように自分のネットワークをフル活用しましょう。

先行する競合がいる場合には、その競合に投資をしている投資家の競合をリストアップして当たってみるという戦略もあります。敵の敵は味方作戦です。これはベンチャーキャピタルにも当てはまりますし、事業会社も同様です。ただし事業会社の場合は、ネットワークを持っているリードインベスターと一緒に開拓するのがいいでしょう。

なお、smartroundを使うことで、投資家候補を検索してアタックリストを簡単に作成することができます。詳しくはこちらをご覧ください。

なぜアタックリストが必要なのか

自分と投資家、双方の時間の無駄になることを避けるということはもちろんですが、実務的にも手当たり次第、投資家に連絡すると管理が難しくなるばかりか、コミュニケーションが雑になって、結果的に資金調達の確率が下がることもありえます。

金融商品取引法を遵守する

スタートアップの株式に限らず、新たに発行される有価証券の取得の申込みの勧誘をすると、金融商品取引法上の「有価証券の募集」に該当し、有価証券届出書の提出が義務づけられてしまいます。有価証券届出書の提出はスタートアップにとっては大きな負担となるために、募集には該当しない(つまり「私募」となる)ように、以下の方法で投資の勧誘する必要があります。

ベンチャーキャピタルの場合は、その多くが適格機関投資家に該当するためAのプロ私募対象となるため問題にはなりにくいと言えます(しかし該当しない場合もあるので、確認が必要です)。

一方で個人投資家の場合は、適格機関投資家として届出をすることはできるものの、届出数は非常に限られており、まず該当しないと考えるべきでしょう。したがって、エンジェル投資家から資金調達をする場合は、Bの少人数私募にする必要があり、勧誘する相手を50人未満(最大49人まで)に限定する必要があります。

この時、勧誘とは「声がけ」をすることまでを含むと解釈されているため、Twitterで不特定多数に「投資家のみなさん投資してください」とつぶやけば、一発アウトとなります。さらに、例えば有名なエンジェル投資家にTwitterのDMで直接投資のお願いをすることは、相手が返事をしなくても49人のうちの1人にカウントされます。

また、金融商品取引法には「通算規制」という概念があり「少人数私募」としたつもりであっても、以下に該当すると有価証券届出書の提出が義務付けられてしまいます。

今回の有価証券の発行日以前6月以内に同一種類(株券、新株予約権証券、新株予約権付社債券は同一種類に該当)の有価証券を発行している場合で、勧誘の相手方の人数(延べ人数)を通算して50名以上となり、かつ、発行価額の総額を通算して1億円以上となる場合

募集(私募ではない)を行ったのに有価証券届出書を提出しなかった場合、上場できなくなる可能性があるので十分な注意が必要です。


監修からのコメント

アタックリストを作成するうえで、ぜひ考慮に入れておいて欲しい事として、その「投資家の属性」があります。属性とは、投資する目的は何なのか、どの程度の投資余力・資金を有しているのか、出資者はどの様な顔ぶれか、どの様な人脈やトラックレコード、投資経験があるのか、などです。これにより投資家が、起業家や経営者、その投資した企業に求めるものが大きく異なります。

以下、一例として、

  • エンジェル投資家:純粋にその起業家を応援したい。新しい事業の種を探すうえでの勉強として。個人の資産を増やしたい。他の起業家やエンジェル投資家との個人的なネットワークがある。投資金額は比較的少額で、追加投資はしないケースが多い。

  • ベンチャーキャピタル:意義のある事業に投資したい。リスクに見合ったリターンを得たい。ファンドのサイズ、出資者の構成により、追加投資の有無、求めるリターンの絶対額やレポーティングの頻度など異なる。

  • 事業会社:事業連携や業務提携を前提として投資するケースや、新規事業のネタ探しとして主事業周辺ビジネスへ投資するケースが多い。投資の対価としては、キャピタルゲインよりは、事業的な連携・提携により得られるインカムゲインを求める。

なお、smartroundを使うことで、INTIALと連携した投資家を検索し、気に入った投資家をアタックリストに保存することができます。詳しくは以下のリンクをご覧ください。

「投資家検索・アタックリスト」はこちら

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