STEP10

エンジェル税制の準備をする

資金調達マニュアル

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エンジェル税制の準備をする

著者

砂川 大

株式会社スマートラウンド

CEO

監修

伊藤 英佑

伊藤会計事務所

代表 公認会計士・税理士

エンジェル税制とは何か

エンジェル税制とは、政府によるスタートアップへの投資促進政策のひとつで、スタートアップへ投資を行った個人投資家に対して税制上の優遇措置を行う制度です。個人投資家はスタートアップへの投資時点、あるいは株式の売却時点のいずれの時点でも税制上の優遇措置を受けることができます。

個人投資家がこのメリットを享受するためには、スタートアップ側で以下の手続きをする必要があります。なお、以下は事前確認申請と事後申請の両方を行う場合(後述の理由により事前確認申請を行うことがスタートアップにはオススメです)で、事後申請だけを行う場合は、以下の3以降だけを行うことになります(必要書類は変わります)。

  1. スタートアップが、各都道府県に適用対象企業であることの事前確認申請を行う

  2. 都道府県が、申請したスタートアップに「事前確認書」を交付する

  3. スタートアップと投資家が、所定の条項を含めた投資契約書を締結する

  4. スタートアップが、各都道府県に資金調達後の確認申請を行う

  5. 都道府県が、申請したスタートアップに「確認書」を交付する

  6. スタートアップが、この確認書を含む書類の原本を投資家へ提供する

  7. 投資家が、書類を添付しその年の確定申告で
    (優遇措置Aの場合)総所得金額から投資額を控除する
    (優遇措置Bの場合)株式譲渡益から投資額を控除する

スタートアップのメリット

個人投資家から資金調達をする場合、エンジェル税制の適用対象であることを事前確認してアピールすると、個人投資家は同優遇制度により投資のインセンティブが増します。具体的には、最大で投資額の約45%が還元される、言い換えればバリュエーションが45%低くなるのと同等の効果が見込めるのです。

エンジェル税制の適用申請は、投資契約締結後にも行うことができますが、その場合、契約交渉時にはまだ適用できることが確認されていないため、アピールがしにくくなります。事前確認申請をしない場合でも、要件を満たしているかどうかは、予め確認しておくといいでしょう。

投資家がベンチャーキャピタルである場合でも、個人投資家がそのベンチャーキャピタルのファンドの出資者(LP)である場合は、個人投資家として税制優遇を受けることができます。ただし、投資決定権をもつベンチャーキャピタルには直接的なメリットがないため、あまりアピールにはなりません。

対象となるスタートアップ

※引用元 https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/chiiki/angel/subject/index.html

要件

優遇措置A

優遇措置B

中小企業要件

創業(設立)3年未満の中小企業であること

創業(設立)10年未満の中小企業であること

会社設立から1年未満かつ最初の事業年度を未経過の場合

研究者あるいは新事業活動従事者が2人以上かつ常勤の役員・従業員の10%以上。

研究者あるいは新事業活動従事者が2人以上かつ常勤の役員・従業員の10%以上。

会社設立から1年未満かつ最初の事業年度を経過した場合

研究者あるいは新事業活動従事者が2人以上かつ常勤の役員・従業員の10%以上で、直前期までの営業キャッシュフローが赤字。

研究者あるいは新事業活動従事者が2人以上かつ常勤の役員・従業員の10%以上。

会社設立から1年以上〜2年未満の場合

試験研究費等(宣伝費、マーケティング費用を含む)が収入金額の3%超で、直前期までの営業キャッシュフローが赤字。または、新事業活動従業者が2人以上かつ常勤の役員・従業員の10%以上で、直前期までの営業キャッシュフローが赤字。

試験研究費等(宣伝費、マーケティング費用を含む)が収入金額の3%超。または新事業活動従事者が2人以上かつ常勤の役員・従業員が10%以上。

会社設立から2年以上〜3年未満の場合

試験研究費等(宣伝費、マーケティング費用を含む)が収入金額の3%超で、直前期までの営業キャッシュフローが赤字。または、売上高成長率が25%超で、直前期までの営業キャッシュフローが赤字。

試験研究費等(宣伝費、マーケティング費用を含む)が収入金額の5%超。

会社設立から3年以上〜10年未満の場合

適用なし

試験研究費等(宣伝費、マーケティング費用を含む)が収入金額の5%超。

特的の株主要件

外部(特定の株主グループ以外)からの投資を1/6以上取り入れている会社であること

外部(特定の株主グループ以外)からの投資を1/6以上取り入れている会社であること

大規模法人要件

大規模法人(資本金1億円超等)及び当該大規模法人と特殊な関係(子会社等)にある法人(以下「大規模法人グループ」という)の所有に属さないこと

大規模法人(資本金1億円超等)及び当該大規模法人と特殊な関係(子会社等)にある法人(以下「大規模法人グループ」という)の所有に属さないこと

未上場要件等

未登録・未上場の株式会社で風俗営業等に該当する事業を行う会社でないこと

未登録・未上場の株式会社で風俗営業等に該当する事業を行う会社でないこと

いつ準備すべきか

個人投資家のメリットをアピールするためには、事前確認を投資家と会う前に取っておくことが好ましいと言えます。事前確認には各都道府県に書類を提出してから最低でも2週間かかることを踏まえ、できれば投資家とのアポイントの1ヶ月前には申請しておきましょう。

また事後申請の場合は、確定申告に近い時期だと確認書の入手が確定申告期日に間に合わない可能性があるので、投資を受けてからなるべく早く手続きを進めておくといいでしょう。

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