STEP15

ピッチする 

資金調達マニュアル

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ピッチする 

著者

砂川 大

株式会社スマートラウンド

CEO

ピッチとは

ピッチとは英語で「売り込む」という意味です。起業家はいろいろな場面で自社の魅力を伝える必要があります。以下のようなピッチがあります。

ツイッター・ピッチ

Twitterなどで事業を想像させる一言ピッチ。「医者のクラウドワークス」や「TikTokのUUUM」など、比喩を使うと効果的。

エレベーター・ピッチ

エレベーターで投資家と乗り合わせる事はあまりないが、立食パーティーなどで自己紹介とともに行う30秒程度のピッチ。

コンテスト・ピッチ

投資家が集まるイベントなどで行われるピッチ・コンテストで行うピッチ。

インベスター・ピッチ

30分程度のまとまった時間をもらって投資家に行うピッチ。検討が進んだ時にDDの一部として行われるマネジメント・プレゼンテーション(ピッチ20分、質疑応答40分)も、投資家向けのピッチと言える。

準備するピッチの種類

3秒、30秒バージョンは資料なしで、3分、30分バージョンは資料ありでピッチができるように準備しておきましょう。あとはその場の時間制限に合わせて、ピッチ内容を調整すれば柔軟に対応できます。 話す内容やピッチ資料については 「STEP6:ピッチデッキを作成する」 をご参照ください。

人を判断するピッチ

資料を送りつけるのと、実際にピッチをするのとで、決定的に違うことはなんでしょうか?それは「あなたがプレゼンターとしてピッチをする」という事実に他なりません。投資家による、最も重要なスタートアップ評価軸のひとつは経営者です。ですが、ピッチデッキに書いてある経歴だけでは経営者を判断することはできません。

投資家はピッチで、プレゼンターであるスタートアップ経営者の人となりを知ろうとします。誠実か、最後までやりきる力があるか、素直か、頭がいいか、人から好かれるか、など第一印象は非常に重要です。どんなにピッチが優れていても人に魅力がなければ次のステップに進むことはありません。

ピッチで気をつけるべきこと

まずTPO(Time=時間、Place=場所、Occasion=場面)をしっかり理解しましょう。すなわち:

  • 何を求めているのか(自社の目的)

  • 何を期待されているのか(相手の目的)

  • どんな機会なのか(自社だけなのか他にもスタートアップがいるのか)

  • 相手は誰なのか(不特定多数なのか、特定の誰かなのか)

  • 目的を達成するためのキーパーソンは誰か

  • どれくらいの時間が与えられているのか

これらを踏まえてなにが最適なピッチなのかを考えましょう。特に自社の目的は重要です。それが面談につなげるためなのか、持ち帰って検討してもらうためなのか、によって話す内容や強調すべきポイントが変わります。

STEP6:ピッチデッキを作成する」 でも触れましたが聴衆の集中力は15分しか持ちません。どうしたら相手を引き込めるかを考えましょう。例えば以下のようなポイントに注意してピッチを行うと効果的です。

  • 話のつかみを大切にする

  • 流れるストーリーを意識する

  • ロジックをしっかり構成する

  • 堂々とゆっくり、わかりやすい言葉で話す

  • ピッチデッキを読むのではなく補足する

  • ジェスチャーやアイコンタクトを活用する

  • 事例をつかって具体性を持たせる

  • 声のトーンや大きさ、間の取り方を工夫する

  • 余裕があるならジョークを一つ、二つ入れるとなお良い

TPOや引き込み方を意識しながら、社員、友達、知り合いを相手に、本番の前に何度もピッチの練習をしましょう。効果的なピッチには反復練習が欠かせません。もしピッチコンテストやマネジメントプレゼンのように特定の会場がある場合、予めその会場でリハーサルができるようであれば、必ず実施しましょう。

最高のピッチをするためには機材の確認も忘れてはいけません。会場にある設備を使う場合には必ず事前に接続テストなどを行いましょう。ネット環境、接続コード、アダプター、クリッカー、ポインター、予備バッテリー、必要と思えば小型プロジェクターまで、持っていくことも考えられます。

デモの重要性

アクセラレーターのピッチコンテストが「デモ・デー」と言われるのには理由があります。特にアーリーのスタートアップにとって「ちゃんと動くプロダクト」ができていることは、とても大きなマイルストーンになるのです。百聞は一見にしかずです。ピッチには必ずどこかでデモを入れて説得力を増しましょう。Webサービスであれば実際のサービスの画面を見せることもできますし、そうでなければ動画などを見せることもできます。

ピッチの学び方

一番の学習方法はピッチコンテストに参加して、他のスタートアップの経営者によるピッチを見学することです。投資家になったつもりで、登壇したスタートアップのどんなところに魅力を感じたのか、どんなテクニックをつかっていたのか、どんな資料が効果的だったかなどを記録しましょう。10社程度みれば(もちろんそれ以上でもいいですが)、おおよそのイメージが掴めるようになります。

またTEDなどの動画もとても参考になります。内容よりも表現方法に注目してみてください。いろいろなプレゼンテーション手法が散りばめられていることがわかります。

質問やフィードバックについて

ピッチコンテストや投資家へのピッチで、質問やフィードバックをもらった時は必ずそれを記録してピッチ内容や資料の改良に活用しましょう。いくつものスタートアップを見てきた人の指摘は非常に参考になりますし、なによりも資金調達を成功させるためのヒントになります。

起業家を評価する時の判断軸の一つに「コーチャビリティ(コーチのしやすさ)」を挙げる投資家も多くいます。これは、投資をしたあとにアドバイスをしても、スタートアップが全く聞く耳を持たなければ、適切に自分の価値を提供できないため、投資をしても無駄と考えるためです。

また重要な裏付けデータをあえてピッチでは触れず、(時間制限外である)質疑応答で聞いてもらうように誘導するという比較的高度なテクニックもありますが、質問してもらえないと空振りに終わるのでリスクも大きくなります。

なお、smartroundの投資家検索・アタックリスト機能を使うことで、ピッチする候補の投資家を探してアタックリストにし、ピッチで受けた質問やフィードバックを記録することができます。詳しくは以下のリンクをご覧ください。

「投資家検索・アタックリスト」はこちら

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