STEP7
資金調達マニュアル
財務計画書を作成する
著者
砂川 大
株式会社スマートラウンド
CEO
監修
鈴木 吾朗
LYNX Inc.
代表取締役
財務計画とは、自社の事業計画の各要素を実際に数値に落とした財務諸表(CF・PL・BS)のシミュレーションのことで、例えば以下を検証するために使います。
期待通りの利益が見込める事業なのか
どのように成長していく予定なのか
損益はどのように推移する見込みなのか
注視・注力すべき指標はなんなのか
いつどれくらいの資金が必要になるのか
各想定値がズレたらどうなるのか
また事業遂行に必要な資金を調達する際、銀行や投資家は(事業計画書の一部として)財務計画の提出を求め、その内容を精査して融資や出資の可否を判断します。この時、銀行は「ちゃんと返済できるか」を見て、投資家は「投資額が何十倍にもなって戻ってくるビジネスになりそうか」を見ます。自社用、投資家用、銀行用と用途に応じて使い分けることをおすすめします。

財務計画は事業計画書のハイライトでもあり、希望的観測を排除して作成し客観的に分析することで、初めてスタートアップの経営者は最善の判断を下せるようになります。
とはいえ、財務計画は文字通り「計画」なので、そのまま実現するとは限りませんし、その計画通りに事業を進めることが目的でもありません。むしろ定期的に予実の差異を分析し、財務計画を修正することが重要です。更新を繰り返すことで、予実の差異がだんだん収束していき、事業の視界がだんだんひらけてくるはずです。
なお、スタートアップのステージによって財務計画のどの部分が重要になっていくかが変わります。
PMF達成前:スタートアップ創業期は基本的に売上がないため、財務計画といっても費用計算とCF予測が中心になります。現金残高、バーンレート、PMF実現時期(売上がたち始める時期)の3つを睨みながら、いつどれくらい資金調達するべきなのか、また資金調達活動はいつから始めるべきなのかを検討しましょう。
初期ユーザー獲得後:ここで初めて意味のあるPL予測を立てられるようになります。初期ユーザーのデータをもとに、どんな方法でどれくらいのユーザーにリーチして、どれくらいの確率で獲得できて、その結果CACはいくらになり、客単価・ユーザー数・売上がそれぞれどれくらいになるのかを予測し、PL計画の精度を上げましょう。この時、KPIの進捗にそってベストケース、中間ケース、ワーストケースを別々に作っておくと良いでしょう。
成長フェーズ:ユーザー数が増え、ユニット・エコノミクスを改善し、スケールできる準備ができたら、投下資本と成長曲線を予測しましょう。融資を活用して資本コストを最適化する場合はBS計画の重要性が増してきます。

財務計画は向こう24ヶ月(短期計画)を月次ベースで、その後3年間(中期計画)を年次ベース(合計5年)で作りましょう。繰り返しになりますが、創業期に精緻な財務計画を作る必要はありません。ベストゲス(最善の予測)で計算し、定期的に修正していくことが重要です。
スタートアップは創業後にピボットして、当初の事業計画が全く無関係になることも少なくありませんし、投資家もそれを認識しています。とはいえ、事業計画に記載した記述内容と齟齬のないように財務計画を作ることは当然求められますので、注意しましょう。
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