STEP3

株主総会開催日の実務

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株主総会開催日の実務

著者

砂川 大

株式会社スマートラウンド

CEO

スタートアップの株主総会

株主総会当日の確認事項は以下になります。適切に招集手続きがなされている場合、スタートアップの株主総会で想定外のことが起こることは稀です。とはいえ、当日も審議や採決に不備があると決議取消事由になりかねないため、正しい進行を心がけましょう。

議長

・定款に規定がある場合には、その定められた者が議長になる。
・議長は議事の整理、動議の取扱、発言の制限、秩序の維持などの権限を持っている。

参加者

法的には求められていないものの、株主に対して必要な説明をしないといけないため、取締役、監査役、会計参与、執行役は出席する必要がある。

資料作成

次項のシナリオに合わせて投影するスライドを用意しておくと良い。

会場設営

スタートアップの場合は株主数も限定的なため、一般的には自社の会議室を使うことで特に問題はない。

本人確認

・株主総会に出席し議決権を行使できる株主は、基準日現在で議決権を有する株主として株主名簿に記載または記録された者に限られる。
・本人確認は受付において会社が送った委任状用紙または本人確認書類で行う。
・定款で代理人を株主に限定することで、代理人本人が株主であることを証明するものを提示することで足る。

質問への説明

株主が議決権を行使するために合理的に必要な範囲で説明が必要。以下は説明義務がない。会社法314条
 ・目的事項に関係のないものである場合
 ・株主の共同の利益を著しく損ねる場合
 ・その他正当な理由がある場合(会社施行規則71条)

採決方法

挙手、起立、拍手、投票、その他いずれの方法でも議決判定さえできれば構わない。ただし賛否が拮抗しているような場合は、後日の紛争予防のために記名投票など明確な方法により採決することが必要。

リハーサル

スタートアップが小規模の株主総会を行う場合でも、実際に株主総会を実施する時は通しでリハーサルをやると準備不足の部分が明らかになる。
 ・株主の案内
 ・進行と時間割り
 ・議案の整理
 ・回答者の確認

バーチャル株主総会

2020年2月26日に、経済産業省が「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」を策定したことで、株主による株主総会へのインターネットを介した参加の法的な解釈が明らかになりました。これによれば現行法でも、物理的に出席できる実際の開催場所さえあれば、それと並行してオンライン等による株主の参加/出席を認めることはできるとされています。以下の内容をご確認ください。

経産省による分類

リアル

バーチャル

説明

リアル株主総会

出席

なし

一般的な株主総会の方法。

ハイブリッド参加型バーチャル株主総会

出席

参加

株主総会には欠席扱いのまま、リモートで審議の確認や傍聴をできるようにする方法。スタートアップにとっても現実的。

ハイブリッド出席型バーチャル株主総会

出席

出席

株主総会にリモートで出席し、質問、動議、議決権行使が行える方法。会社法の要請を満たす対応をすることが難しく、スタートアップに適する方法とは言い難い。

バーチャルオンリー型株主総会

なし

出席

現行の会社法の解釈上、実施することは難しい。

ハイブリッド参加型の「参加」とは、審議の確認や傍聴ができるだけという意味で、株主は当日の決議に参加したり、質問したり、動議を行うことはできないので注意が必要です。ただし、この場合でもコメントをすることは問題ないとされており、会社はコメントに対して可能な範囲で回答することが可能です。

株主総会の想定スクリプト

株主総会を進める上での想定スクリプトを以下に用意しました。このスクリプトは各議案を個別に上程し審議する方式となっていますが、この他に報告事項及び複数ないし全部の議案を一括して審議・質疑応答をして採決する方式(一括上程・審議方式)もあります。

式次第

想定スクリプト

1

社長挨拶

時間になりましたので、始めさせて頂きます。改めまして、皆さま、おはようございます。社長の●●でございます。本日はご多用の中、弊社株主総会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。

2

議長就任宣言

当社定款第●●条の定めに従い、私が本株主総会の議長を努めさせて頂きます。どうぞよろしくお願いします。なお、本日は●●取締役が病気のため欠席しておりますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

3

開会宣言

ただいまより、株式会社●●第●●回定時株主総会を開会いたします。

4

定足数の充足宣言

まずは本日の出席株主数および議決件数をご報告申し上げます。

当社の
・発行済株式の総数は●●株
・本株主総会で議決権を有している株主数は●●名
・その議決権総数は●●個です。

そのうち
・本日ご出席の株主様は●●名
・その議決権数は●●個です。

また
・委任状をご提出いただいた株主数は●●名
・その議決権数は●●個です。

これらを合計しますと
・ご出席の株主数は●●名
・その議決件数は●●個
となり、本株主総会の全議案を適法に審議いただくのに必要な定足数を満たしておりますことを、ご報告申し上げます。

5

議事進行方法の確認

ご発言の際は挙手をいただき、私が指名いたしましたらご自分のお名前をおっしゃっていただいたうえで、要点を簡潔にまとめてご質問をくださいますようお願いいたします。なお、本日は各議案について個別に審議してまいります。

6

(監査役の監査報告)

それでは、監査役より監査報告をさせて頂きます。皆さま、おはようございます。常勤監査役の●●でございます。私の方から当社の監査報告をさせて頂きます。まず、昨年●●月●●日から本年●●月●●日にまでの第何期事業年度にかかる取締役の職務の執行に対する監査につきましては、招集通知の添付1に掲載いたしましたとおりでございます。次に、本日の株主総会に提出いたしております議案および書類につきましては、法令および定款に適合しており、著しく不当な事実は認められませんでした。以上で、監査報告を終了いたします。

7

報告事項の説明

次に本日の目的事項に入らせて頂きます。まず、昨年●●月●●日から本年●●月●●日にまでの第何期事業年度におけるわが国経済は、
======中略(事業報告書の要旨を述べる)======
株主の皆さまにおかれましては、引き続きご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

事業報告に関する、このほかの事項につきましては、招集通知の添付2に記載のとおりでございます。

次に、第●●期計算書類の内容報告でございますが、計算書類の内容につきましては、招集通知の添付3に記載のとおりでございます。

すでにご覧になっていただいていることと存じますので、説明は省略させていただきます。なお、計算書類にかかる監査役の監査報告は、招集通知の添付4に記載のとおりでございます。

以上、本日の報告事項につきご説明申しあげました。

8

報告事項の質疑応答

それではここで、報告事項に関するご質問をお受けいたします。ご質問がある方はいらっしゃいますでしょうか。

それでは、ただいまいただきました●●に関する件と●●に関する件の2つの質問につき、私からご説明申しあげます。

=====説明略=====
ただいまの件につきましては、取締役の●●からご説明申しあげます。取締役の●●でございます。ただいまのご質問につき、私からご説明申しあげます。

=====説明略=====
他にご質問がある方はいらっしゃいますでしょうか。

9

決議事項の説明

ご質問がないようでございますので、引き続きまして議案の審議にはいらせていただきます。

それでは、第1号議案●●の件を付議いたします。議案の内容につきましては、招集通知の添付1に記載のとおりでございますが、これにつきご説明申しあげます。

=====説明略=====

10

決議事項の審議

それでは、審議をお願い申しあげます。ご質問またはご意見はありませんか。

11

決議事項の採決

ご質問がないようですので、採決に移らせていただきます。本議案につきましてご賛成の株主の皆様は挙手をお願いします。

ありがとうございました。賛成多数を以って、本議案は原案通り承認可決されました。

=====9から繰り返し=====

12

閉会宣言

以上をもちまして、本総会の議事はすべて終了いたしました。これで、株式会社●●第●●回定時株主総会を閉会させていただきます。

本日は、株主の皆様には、ご多用の中当社定時株主総会にご参加いただき、誠にありがとうございました。

動議への対応

動議とは、株主総会において株主から審議・採決の提案が行われることをいいます。動議には大きくわけて、以下の2つがあります。

  • 議案の修正に関する実質的な動議(修正動議)

  • 総会の運営や議事進行に関する手続的な動議(手続的動議)

会社法では、一定の場合を除き、株主が株主総会において議案に関する修正動議を提出することを認めています(会社法304条)。

株主が株主総会で修正動議を提出した場合、それが適法になされたものである限り、議長は当該議案をそのまま議場に諮って審議しなければなりません。

この場合、議長は会社提案(原案)から先に採決することを議場に諮り、この承認をもって先に原案を採決し、原案が承認・可決された場合には、これと両立しない修正動議は否決されたものみなし、そう宣言することができます。

一方、手続的動議については、以下の4つの場合を除き、議事整理権を有する議長がその裁量をもって判断することができます。

  • 総会提出資料等の調査者の選任を求める動議(会社法316条1項)

  • 総会の延期・続行を求める動議(会社法317条

  • 会計監査人の出席を求める動議(会社法398条2項)

  • 議長の不信任を求める動議

これらの手続的動議については、議長は必ず議場に諮る必要があります。


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