「ありとあらゆる変化に対応するスタートアップに、才能ある人材集めが必須」SmartHR倉橋さん×Ubie久保さん×ビビッドガーデン山下さん 注目企業のCEO・COOが語るCxOカンファレンスセッションレポート

2024-05-02

  • イベントレポート

ありとあらゆる変化に対応するスタートアップに、才能ある人材集めが必須 / SmartHR倉橋さん×Ubie久保さん×ビビッドガーデン山下さん

注目企業のCEO・COOが語るCxOカンファレンスセッションレポート

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注目企業の急成長を支える舞台裏で活躍するCOO。CFOやCMOなど、経営チームの一員となるCXOですが、COOに関してはどのような役割を担っているのか、具体的なイメージを持っていない方もいるかもしれません。

COOの役割や「才能が集まる会社」の是非、各社の実態について、株式会社SmartHR 取締役COO/最高執行責任者 倉橋隆文さん、Ubie株式会社 代表取締役 久保恒太さん、株式会社ビビッドガーデン 取締役執行役員COO 山下麻亜子さんがディスカッションを行いました。

本記事では、2023年9月22日(金)に開催された「Startup CxO Conference」、「才能が集まる会社とは。注目企業の急成長を支えるCOOの舞台裏」の内容をお届けします。当日のモデレーターは、株式会社EVeM 代表取締役CEO 長村禎庸さんが務めました。

※役職は2023年9月22日時点のものです。

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そもそも「COO」が担う役割とは

―――モデレーターを務める長村です。弊社はEVeMというベンチャー企業の経営者やマネージャ―にマネジメントのトレーニングをする会社です。私はリクルートで結婚情報誌の広告営業を経験した後、DeNAに入り、8年半ほどいろいろな部署のマネジメントをしてきた人間です。今はCOOではないのですが、前職のハウテレビジョンでCOOをしていまして、東証マザーズ上場に導きました。その後、EVeMを創業して今に至ります。

今日のテーマは「才能が集まる会社とは」ということで、まずは「一般的にCOOはこう言われますが、どうですか?」という話をしたいのですが、実はCOOの役割を書いているコンテンツはほとんどありません。CFOやCMOと言われたら何となくわかる方もいると思いますが、COOと言われて「こういう仕事ですよね」と言える人は少ないのではないかと思います。

結構生態系が明らかなようで不明な仕事だったりもするんですが、弊社のクライアントでCOOをされている方の話を統合してまとめたものをお話し、その後に登壇者の皆様にも聞いてみたいと思います。

当たり前といえば当たり前かもしれませんが、自分の領域の実行だけする、どこかの事業部の仕事だけする、どこかの部の部長だけやっているというのはCXOではないと思っています。自分の領域の方針と経営の方針の両方についてきちんと考えるのが前提かなと。

ただ、「COOだけど、どこかの事業の事業部長を兼務していて、経営のことは何も考えずに事業部のことだけ考えています」という方も実際にはいます。それは私たちの定義では経営メンバーではないのかな、という考えの元で話しています。

CxOには、ざっくりと専門CxOとゼネラルCxOに分かれます。専門CxOは、CFOやCTO、CPO、CMOなど、ある領域に特化したCxOで、こちらはわかりやすいでしょう。一方、COOを含むゼネラルCxOはわかるようでわからないので、今日はここを徹底解剖できればと思います。

COOの要件はCEOとの相性によると思っています。COOがCEOの下位互換になっているのは良くないと思いますし、逆に上位互換になっているのもおかしい。いい組み合わせは、互いの得意領域が異なっていて、互いの領域のレベルについて互いに尊敬できる状態だと思います。

要件がないと言えばないので、難しいんですよね。フォーメーションにはいろいろな形がありまして、ある領域のレポートラインとして入って統括されるCOOもいれば、CEOの横にいて、CEOが指示をしたのち、具体的なアクションや実現のところを各部署に関わってやっていく形もあります。状況に応じてどこかの領域の責任者になるCOOもいて、その方はある時は新規事業部長、あるときは人事部長と転々とされています。

この話をたたき台にして、皆さんの話を聞いていきたいと思います。ぜひCEOとの関係作りみたいなところも聞いてみたいですね。まずは自己紹介とご自身の役割、社長との関係性をお聞かせください。

久保:Ubieの久保です。私は代表取締役でCOOではないので、「何で来たんだ」と思われているかもしれませんが、COOがほしい気持ちがあり、今回参加しています。弊社はAI系エンジニアのバックグラウンドを持つ私と医師とが創業した会社で、私は経営全般を見ながら、最近はグローバル化事業にフォーカスしています。現場の執行部分はよりその部門のメンバーにということで、分散された経営みたいになっているので、もっと経営視点で見てもらえるCOOが必要なんじゃないか。どういう方だったらいいのかという答えを求めにやってきました。

山下:ビビッドガーデンの山下です。食べチョク事業全体を見ているのと、人事を管掌として持っているので、組織の方も見ています。数か月前までは一部の実行も担っていたのですがそこから手が離れて、いまは全体方針の策定や、方針の自一行で課題が出てきたところのマネジメントをするような動き方をしています。

倉橋:SmartHRの倉橋です。HR系SaaS(クラウドサービス)で、労務管理とタレントマネジメントの領域でサービス展開をしています。弊社の従業員数は900人ぐらいです。フォーメーションは先ほどのものだと1がはまる形で、CEOの他に3人CXOがいて、COOの私がビジネス側を、CPOがプロダクト開発側を、CFOが財務系や会計側の責任を持っています。CEOの1番のミッションは組織や文化を守ることで、人事や総務はCEO直属になっているといった具合に、綺麗に分業している形かなと思います。社長との関係性はいいですね。互いにめちゃくちゃ口を出します。

――自己紹介で倉橋さんから出ました社長との関係性について、もう少しお聞きしたいです。

倉橋:普通に飲みに行きますし、今度は週末に合宿に行きます。議論する合宿なんですが、夕方を過ぎたらみんなで料理つくって食べて、サウナに入ってという遊びみたいな感じのことが普通にできる関係で、何ならみんなちょっとわくわくしている感じですね。でも、仕事では「それ違うと思うよ」と言える面白い関係です。

――いいですね。久保さんの場合は共同代表ということで、もう1人の代表の方とはどういう関係性なのでしょうか。

久保:いい感じですね。役割としては、私の方が種を見つける系で、もう1人が計算が得意で全体の統括系みたいな感じです。

――そんな2人がいて、COOがほしいという話でしたが、どういう人がほしいのでしょうか。

久保:全体感を持っている人ですね。弊社がやっているAIを使った医療系サービスは製薬企業向けの事業と医療機関向けの事業がありまして、そこにヘッドみたいな人たちがいるんですね。非常にエキスパティはあるんですが、一方で全体を見たとき、議論が交わされるような人の領域に踏み込む人が2人しかいないのが課題です。そこまで言うなら執行部分も把握しなきゃいけないみたいなところがある。事業を伸ばせる人はまた別な能力がいると思っていまして、そういう方がほしいですね。

――なるほど。山下さんは代表とどのような役割分担をされているのでしょうか。

山下:うちも結構仲がいいですね。入社時はどういう関係になるか少し不安だったんですが、入社1ヵ月目に飲みに行ったりカラオケにも行ったりしたので、すんなり関係ができて良かったかなという感じです。

代表はどちらかというと2個目3個目の事業や3年後5年後の経営を中心に見ていて、私は今の既存事業が中心という役割分担ですね。既存事業も完成し切っているわけではないため、分担しすぎたかなとは思うことはあります。代表も「任せたから口を出さない方がいいんじゃないかな」と遠慮したのではないかなと思う時期がありますね。私もあまり悩み相談をしていなかったんですよね。今は食べチョク事業の大きな方向性も意識的に2人で話すようにしています。

――食べチョク事業を山下さんが担当されているということですが、「口出ししてくるな」とかそういう感情はないんですか。

山下:全然ないですね。私は意見がほしいタイプなので、ちょっと気になっている部分があるなら言ってほしいと思っていますし、私から「今、こういうことを考えている」とか事業方針を話して、プロセスごとにで口出ししてもらっているというよりか、意見を求めていくという感じですね。

――お三方とも素晴らしいですね。私は自分がCOOをしていたときは「一切口出しをしてくるな」というスタンスだったので、仲がいいと笑顔で話されているのを見て羨ましいなと思いました。

ありとあらゆるところで変化を起こすべきスタートアップにおいて、才能を集める・活かすは必須

――1つ目の質問は、「才能を集める・活かすということは大事なのか」です。極端な例を挙げると、「うちは事業の仕組みがちゃんとできているので、兵隊がいれば伸びます」という方もいらっしゃいます。これは「兵隊」という言い方も含めて考え方がわかりやすいなと思ったんですけど、皆さんは大事だと思うのかどうなのか。いかがでしょうか。

倉橋:大事ですね。なぜかというと、大事じゃないといえるのはビジネスモデルが確立されている場合だけだと思うんですよ。長い歴史があって成熟した業界ならそうかもしれませんが、スタートアップは基本的に事業環境、資金調達環境がどんどん変わるので、同じことをずっとやっていていいと誰1人思っていないと思います。ありとあらゆるところで変化を起こさなければならないといけなくなったとき、自分がすべて決めるから兵隊でいいというのはたぶんない。幅を広げる変化は1人ではできないので、やってくれる人を見つけるというのが理由その1ですね。

その2は、任せるなら自分より能力が高い人、専門性を高めたいから。CEOが組織能力の天井になっている組織もありますが、それは非常にもったいないなと思っていて、預ける以上、自分より上手くできる人に預けたい。そうすると絶対にぐいっと伸びますからね。

弊社の場合は、私のダイレクトレポートが5、6人いて、それぞれの領域はお任せしていれば良い仕事をしてくれて、私は全体最適の観点からディスカッションができる。そうすると最終的なアウトプットも上がります。幅を増やしつつ高さも高めるのが変化の激しいスタートアップでは必要なのかなと。

久保:まったくもって倉橋さんのお話と同じだと思っています。まず、才能を集めることは創業時からやってきているんですね。元々シリアルアントレプレナーとかではないので、学びながらステップバイステップでやってきたんですよ。最初に、Googleみたいな強い人が集まったスタートアップを作りたいという目標がありまして、そういった背景から最高の人を詰め込んだ最強の会社だったら最高の事業ができるだろうという単純な考えでやってきています。

活かすことに関しては、最高の人だから成長させるところに対するインベストはあまり払ってきていなかったですね。活かすにもアサインメントと成長させるみたいなところがあって、昔はアサインメントが結構適当でめちゃくちゃになって、ちゃんとやらないといけないよねとなりました。その人の潜在能力を伸ばすところがテーマとしてあるのかなと思います。

今は能力のセットが抽象化されたスキルとは別軸で管理されているので、それに基づいてアサインメントをしています。あとはチャレンジアサインメントもかなり意識してやるようになっていますね。

山下:私もすごく大事だと思っています。事業を見れば見るほど、優秀で良い人材を活かすことやそういう人材を集めることを含めて大事だと思うようになりました。なぜかというと、食べチョクという事業を完成させるためには職種も機能もすごく多いんですよね。開発、マーケ、企画、購入者のサポートサクセス、出品する生産者さんのサポートサクセス、コーポレート。これら全てが機能し、改善されていかないと事業として良くなっていかないのが難しさでありチャレンジングなところなんですが、私がすべてを見ていて、全部を理解して戦略を立てるより、現場で特性を活かして活躍している人の意見を吸い上げないとずれるなという感覚があります。なので、ますます大事に思っているという感じです。

――ありがとうございます。もう1つ聞きたいのが、そうやって才能のある方を集めた際、統率も必要になるのかなと思うのですが、皆さんはどう工夫しているのでしょうか。

倉橋:バリューや価値観を揃えるのもありますし、弊社は経営会議に全員参加できるし、銀行預金残高が全員見られるというくらいオープンにしています。要は、同じ価値観で同じ情報を持っているという土台を整えるのがまず1つあります。

その上で進化の方向性を揃えることに注力しています。毎年、この会社でやらないといけない全社ミッションを発表しているんですね。ある年は「今年は飲食小売業界に行くぞ」と決めて、各部署がそこに向かって走った。未だに、「今年は全員でこっち方向に角度18度で向かいます」みたいなことを揃えています。

――そのミッションは1つですか?

倉橋:原則1つですね。泣く泣く3つになったことがありますが、4つ以上は絶対にやらないようにしています。期間は一応1年ですが、場合によっては去年の発展形として続くこともあります。すべての進化が1年で終わるわけではないので。

――ミッションについての意味合いについても伺いたいです。全社のリソースをそこに寄せるのか、みんなが変わっていないと意味がないのか。

倉橋:全社ミッションを発表する際、必ず「全社ミッションとは何なのか」を話しています。新入社員がすごい勢いで増えているので、「これが1番大事なことではない」と説明する必要があるんです。何かというと、会社内で進化すべきことは各部門で収まるものと、あらゆる部門がシンクロして同時にしないと効果を発揮しないものとに分かれるんですね。

営業力を上げる、開発でリファクタリングに投資することも大事ですが、これらは部門ごとに最適化できます。なので、全社ミッションには掲げない。逆に先ほどの「飲食小売業に行くぞ」は、開発もビジネスもここに向けて準備して、すべてが揃っていないと成り立たないので、全社ミッションに掲げました。なので、全社ミッションは会社内で大事なことの30%程度であり、同時多発的にシンクロしてうまくいかないと効果が発揮されないものだと説明をしています。各部署に70%の大事なことがあるので、それもやってねと。

久保:私はまさしくSmartHRさんが透明性を持ってやられているところを参考にしています。一般的だと思いますが、OKRをできるだけソリッドにするとか、会社が非連続成長できることだけをOKRに入れるといったことをしていますね。

全体最適の観点でいうと、全員にストックオプションを付与するところはあって、時価総額に紐づいているので、個人リターンとして紐づかないようにしています。あと変わっているのは、会社組織が4つくらいに分かれていて、2つはマネージャーがちゃんといるヒエラルキー的な関係、残りは評価も入れないホラクラシー的な関係になっています。新規事業みたいな定量で測れない部分がホラクラシーになっていて、定量的に出やすいところほど従来型の組織になっているという感じです。

――2タイプの組織が同じ会社にある難しさはないんですか?

久保:ありますね。最近は上のレイヤーに対して、リーダーシップチームを広げて取っていて、評価が全社連動にするようにしていたりします。個人評価がインセンティブにならないような構造にして、というような。

――このクリエイティブな組織運営は経営陣でかじ取りをされているんですか?

久保:ホラクラシーを入れたのは私ですが、分けたのは違う人が言い出しました。そのときの最適を常に変えていくのが会社として1番良いと考えています。そういった意味でも、次はグロース的なやり方を採り入れたいなと思っています。

山下:めちゃくちゃシンプルにしないと統率できないんだな、というのがここ半年ぐらいの学びです。私は結構細かくいろんなことを言ってしまいがちなんですよ。ぱっとみんなが同じ方向を向くって、相当シンプルにわかりやすくしなきゃいけないというのがわかり、方針自体も伝え方も意識しています。

今は、シンプルに伝えられるようにはなってきたものの、シンプル過ぎることで課題が出てきています。みんな何となく行く方向はわかったけど、各チームやミッションに紐づけるところがチームによっては課題になってきているので、ここのつなぎ込みをもっとしなきゃいけないんだなと。

少し毛色の違う話をすると、ミドルマネジメント層に全体をどう見ているか・考えているかをもっと共有しないといけないなと思っています。共有すればするほど「こう悩んでいるから方針がこう変わったんだ」とか、同じ方向を向いて課題を解決しようとなってもらいやすいので。かっこつけた時期もあったんですが、もっと悩んでる、わからないという率直な考え、感情も伝え始めています。

――「シンプルに伝える」のシンプルさはどんな感じなのでしょうか。

山下:「このクウォーターは旬を楽しめる体験を作り切るんだ」みたいなことを、顧客体験におとして馴染みやすい関西弁で書いたりしました。

倉橋:組織が大きくなるとどんどん悩ましくなりますよね。弊社の全社ミッションは社員の70%が関わらないといけないものを掲げようとしているんですが、人数が増えて事業も多角化してくると、最大公約数の抽象度が上がるんですよ。抽象度が上がり過ぎると具体的なことに繋がらないし、具体的すぎると関係する人が少なくなりすぎてしまうし、バランス感覚と、決めたあとにどれだけ言葉でうまくイメージをしてもらうかが毎年悩ましいです。

――どうやってシンプルなメッセージを作っているのでしょうか。

倉橋:弊社は経営陣に壁打ちに付き合ってもらい、徐々に固めていって最後に言葉にまとめる感じです。2ヵ月間、時間にして2、3%ですが、脳内では10%ぐらいを割いて考えて決める感じですね。今年からはマーケチームにいる人にコピーライティングをお願いしていて、「こういうイメージなんだ」と伝えて言葉に表してもらいます。

山下:それ、いいですね。うちもマーケチームの誰かにお願いしようと思いました。うちはクウォーターごとに伝えているので、最後の月に「次はどうしよう」と20~30%ぐらいの時間を使って考えています。

伝わり方をシンプルにするのは、マネージャーと方針自体のディスカッションをする際、あまり伝わってないなとか、相手が同じ言葉を使い始めるかどうかを感覚的に見ていますね。「こんな感じかな?」とチームメンバーにも聞いてみて、「正直わかりにくいです」といわれて「あ、なるほど」みたいな感じですね。

倉橋:コピーライターと一緒に、略せないかみたいなことも考えますね。略してSlackの絵文字にできないかとか。

才能のある人を惹きつける基本は事業成長

――ちょっとお話が逸れましたが、本題に戻りたいと思います。そうやって集めた才能のある人たちを惹きつけるため、皆さんは何をしていますか、というのが次の質問です。

倉橋:権限委譲が大事ですね。私が細かく言わないよう意識しています。あとは事業を伸ばし続けること。事業が伸びているとポジティブエネルギーに溢れますし、手ごたえも感じますし、新しいチャレンジも勝手に発生するんですよね。なので、シンプルに事業が伸び続けることを担保することなのかなと思います。そりゃそうだろうという回答ですみません。

――伸びが鈍化してきたときにもい続けてほしいと思いますが、そのときはどうされますか?

倉橋:未来を見せることかなと思います。ただ、すごく嫌なことを言いますが、うちは事業が止まったことがないので実例がないんですよ(笑)。これはありがたくも優秀なチームだからでもありますが、うちは全員が今日の売上を知っているので、停滞したらみんなわかるんですね。そんなプレッシャーの元でやり続けてきたという背景もあります。逆に、もし停滞したらどうなっちゃうんだろうという不安があるから必死に頑張っています。

久保:まさしく、事業成長に敵うものはないですね。トラクションが出れば出るほど採用もやりやすくなりました。あとは人がいいみたいなことはありますね。今の平均以上の人を取ろうとやってきていて、自分より上の人と働きたいという人を採用し続けるみたいな。人が人を呼ぶみたいなことは1つあるかなと。

あとはFor Youみたいなところ。今はもうご飯がいっぱいあって、あとはおかずを上に載せるだけで、あなたはご飯なんですとちゃんとお伝えするかが1番重要だなと。

――面白いなと思ったのは、自分より優秀な人と働きたいというメンタリティの人を採用するという話ですね。ストレートに面接で聞くと「そうです」というと思うんですが、人には生存本能もあるので、必ずしもそれが本心とは限らないと思うんですよ。そこはどう見るんですか。

久保:関係性が多いですね。他人より自分をフィーチャーしたい人は発言の節目に表れるかなと思います。どういう環境でやってきたのか、リスペクトしている上司や部下は誰なのか、逆にどういう人と働きにくいと思うのかを掘り下げていくイメージです。

昔はワークや業務委託を挟んで採用していたんですが、今は面接1本で、新しい職種などイメージが付きづらいものは候補者にお伝えし、見極めるために飲み会をしたりしています。その際、弊社のカルチャーを体現している「パクチー人材」と言えるような尖った癖の強い人に参加してもらっていますね。好きな人は好きだけど、嫌いな人は嫌うので、彼らがリトマス試験紙になるといいますか。

山下:社内ではチャレンジングな環境やミッションをちゃんと提供できるかを意識しています。事業が苦戦しているときも成長意欲があればチャレンジを楽しめるし、なくなれば離れちゃうのかなと思うので。

社外の才能ある人を惹きつけるためにやらないといけないなと思っているのは、弊社のカルチャーを伝えることですね。食べチョクのイメージや代表のイメージはあるものの、ビビッドガーデンがどういう会社なのかイメージを持った方はあまりいないと思うので、それが伝わっている状況を作らないといけないと思っています。

カルチャーの言語化に近いですかね。例えば、ラクスルさんは事業をどんどん作っていくイメージがあり、それが是とされるので、そういうことをしたい人が集まってくる印象があります。そういう、取りたい人材に対して持ってもらえるイメージを作りたいです。

――あっという間にお時間となりました。最後に、皆さんのCOOとしての課題について伺って締めとしたいと思います。

倉橋:うちは基本的にパラシュート採用をせず、メンバー採用をしています。私自身も半年間はCOO候補で、肩書も書いていなかったんですね。その結果、うちの中でマネジメントポジションはたくさん出てくるんですが、基本引き上げになるんです。スーパーティーチャー、スーパーマネージャーがたくさんいて、それはその人たちの人生とキャリアにおいていいことですし、日本のマネジメント人材プールに良いことをしていると思います。

ただ、短期的にはすごい負担をかけているなとは思っています。うちはリモートが多く、リモート下のマネジメントはより難しくなっているので、ファースト・セカンドラインのマネージャ―には無理をしてもらっているという自覚があるんですね。そこに会社としてサポートを強くしていくことが必要だろうと思っています。

久保:COO探しというか、経営チーム作りは私がやらなければいけないところだと思っています。いい経営チームはリーダーシップチームのファーストチームであり、自分たちは事業部に属していないみたいな話だと思うんですが、そういう風になっていないのが今の課題なんですね。外部も含めて人材を活用し、継続していくことが次のステップだと思っています。

山下:うちの課題は、全員を活かしきれているのかがなかなか見えないことだと思っています。遠いメンバー、他チームだと、「こういう才能があるから任せてみてもいいかな」という判断が付きづらく、それがもったいないなと。そこをシステマチックにできないかなと考えていたんですが、50人程度の規模なら自分が見に行ったほうが早くできるのかな、「おまえやれよ」と自分に対して思っていて、そちらの方向性でやろうかなと悩みつつ思っています。

フェーズに合わせて役割も変わるCOOのリアル

なかなか広く語られることの少ない「COO」という役割。実際に成長するスタートアップで活躍している登壇者の話を聞くことで、見えてきたものもあるのではないでしょうか。

変化の激しいスタートアップにおいて、才能ある人材を集め、彼らが才能を活かして働ける環境を整えることは重要。彼らの活躍が事業成長につながり、事業成長こそが才能ある人材を自社に惹きつけ続けるというお話が印象的でした。お三方の取り組みについてのお話を、ぜひ今後の自社の採用・組織運営に活かしていただけると幸いです。

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