「誰もが置かれた状況に関わらず、自分で選べる社会を創っていきたい」waypoint venture partners 平田拓己さん

2024-07-17

  • インタビュー

誰もが置かれた状況に関わらず、自分で選べる社会を創っていきたい

waypoint venture partners 平田拓己さん

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Startup Next編集部がお届けする、今をときめく!投資家インタビュー。志を持って活動される投資家のみなさんのバックグラウンドや考え方に、一歩踏み込んでご紹介しています。今回はwaypoint venture partners株式会社の平田拓己さんにお話を聞きました。

平田拓己
1995年生まれ、東京都出身
甲南大学経営学部在学中に、独立系VCであるSamurai Incubateにインターンとして入社し大学卒後、2018年同社新卒入社。投資部門にてプレシード~シード期を中心としたスタートアップ投資やファンドレイズ(6号、7号前半)、LP連携活動に従事。20年には、中四国エリアにおいて地元地銀系及び独立系VCと連携し「中四国Startup Runway」を立ち上げ。21年からは広島大学と共に学生発のスタートアップ支援プログラムも運営。23年3月に同社退職しwaypoint venture partners株式会社を設立。23年9月にPre-Seed~Seedステージにフォーカスした1号ファンドを組成(1st Close)し投資活動を開始。

投資条件や投資実績がわかる!平田拓己さんの投資家プロフィールはこちら👇(顔写真をクリックするとプロフィールを閲覧できます。)

まずは、平田さんについて教えてください!

waypoint venture partnersの平田です。

2023年に前職のサムライインキュベートから独立して弊社を立ち上げ、23年9月に1号ファンドを組成して投資活動を始めました。

スタートアップに興味を持ったきっかけは中学時代にあり、当時通っていた塾の下の本屋さんに置いてあった、日本電産の永守さんが書かれた本でした。アホなきっかけではあるんですが、その本を読んで「事業作ってる人かっこいい」「社長かっこいい」と思ったんです。

それ以来、経済ニュースを見たり事業案を考えたりして学生時代を過ごしていたのですが、高校3年生のタイミングで第二次安倍政権が発足し、アベノミクスが始まります。またアホなきっかけなんですが、経済ニュースで日経平均株価を見ていたら毎日のように株価が伸びているような印象を受け、株式投資を始めました。このタイミングで、起業家に投資するVCという存在を知りました。

次の質問にも絡みますが、大学時代にいろいろな経験をし、新卒で独立系VCのサムライインキュベートに入社しました。5年ほど新規投資やファンド組成に関わらせていただき、23年3月に独立しました。

平田さんが投資家になったきっかけは何ですか?

もともとは起業家になりたかった人間だったので、大学進学以降は起業するためにプログラミングを勉強したり、数社VCを回ったりしながら過ごしていました。

その中で、自分よりも圧倒的に優秀な起業家さんがたくさんいらっしゃることを知り、事業を通して実現したかったことを自分が目指すより、優秀な起業家の方々がスムーズに事業を進められるサポートをした方がよっぽど実現が早いのではと思い、前職のサムライインキュベートに新卒で入社しました。

VCのキャリアと聞くと、入社したVCでキャリアを進めるか、独立するか、スタートアップに行くか、スタートアップを起業するか、という選択肢が一般的かと思います。僕も前職にいたときに時々ご質問をいただくことがあったのですが、結論、VC一筋で生きていきたいと思っています。

ただ、もし「絶対に今の仕事をやめないといけない代わりに好きな職業何にでも就かせてやる」と言われたら、絶対に旅客機のパイロットを選ぶくらいには飛行機が好きです(笑)実は大学入試のタイミングでパイロットになるための大学への進学も考えていました。

現在はどんなところに投資していて、投資先とはどんな関係ですか? 

弊社では3つの投資領域で主にPreSeed〜Seedスタートアップに投資をさせていただいております。

1つ目が「新しい街づくり」です。人口が増加していた時代に作られたインフラが老朽化する中で、当時と異なり人口は減少傾向にあります。現状を踏まえた際に既存のインフラを保守・メンテナンスを行いそのまま使うのか、現状のユーザー(≒住民)に合わせた形で最適化を行う余地があるか等をテーマにしています。

インフラと言っても、電気・ガス・水道や道路だけではなく、モビリティや医療、行政サービスなど街を構成する要素も含めて考えています。

2つ目が「産業の持続的成長」です。こちらはいわゆるレガシー産業(建設・不動産、製造、物流)の生産性改善や付加価値向上に加え、これまでの大企業中心でのカーボンニュートラルだけでなくサプライチェーンを通したカーボンニュートラルが求められる中で、中小企業の巻き込みを考えた際に新たに生じる機会を見ています。

最後が「個人のエンパワーメント」です。toCサービス全般というわけではなく、個人が生活するうえで最低限必要になるものの選択肢をどのように増やせるかを考えており、ヘルスケア、教育、金融等を見ています。

また中四国地域を注力投資エリアに掲げており、日本全国のスタートアップに投資できるファンドではありますが、地域も絡めながらテーマに合わせて濃淡をつけています。

テーマとしてはかなり幅広いですが、エンタメ領域や創薬などのディープテック領域は投資対象から外しています。

投資金額は300〜2,000万円程度までで、バリュエーションは3億円までを主要ターゲットレンジとして捉えています。また、リード・フォローともにできるようにしています。

投資先との関わり方ですが、現状はハンズイフが正しいかなと思います。基本的には投資先の起業家さんのニーズに合わせてサポートの仕方を変えられるようにしています。

事業立ち上げ初期で、細かいディスカッションが必要なタイミングであれば週1でMTGをセットさせていただきながらブラッシュアップしていくことも可能ですし、ある程度事業としても進み始めて以降は月1などでMTGをセットしながら、少し先の議論をしたりするようなこともあります。

事業に関するディスカッション以外の側面では、ヒアリング先や協業先としての事業会社様のご紹介もしています。注力投資エリアに掲げている中四国地域の地域金融機関様や地域事業会社様、自治体様との接点を活かし、事業を進めるために適宜お繋ぎしています。

また、場合によってはファイナンスの際のピッチ資料や資本政策・事業計画の作成サポートなども行っています。事業からは少し離れてしまいますが、投資先やその他の起業家さんとの接点構築を目的に、起業家さんからご要望があれば食事会をセットすることもあります。

魅力を感じる起業家はどのような人ですか?

特に「顧客解像度の高い方」と「数字に対する執着のある方」はすごいなと思います。

「顧客解像度の高い方」については、やはり弊社はPreSeed~Seedで投資をさせていただくVCですので、「ユーザーさんのことをしっかり知り、事実だけでなく事実の背景まで理解したうえでサービスの仮説を考えられるかどうか」は、サービス立ち上げのド初期には特に重要と捉えています。

顧客解像度が高ければ仮に今考えている事業案が間違っていたとしても、仮説やターゲットをピボットした際に同じレベルで考え抜けると思います。そういう方なら、どう転んでもやり切れるんじゃないか、と思っています。

「数字に対する執着のある方」については、言葉だけ見ると悪い方にも転びうるように見えるかもしれませんが、「数字を作るために何ができるか、その引き出しの多さや考え抜ける力」という意味合いで考えています。

ターゲットをしっかり理解して、ターゲットに喜ばれるサービスを作ることが大前提だとは思います。ただスタートアップという特性上、成長速度も重要なので、前提をクリアしたうえでスピードを上げるために何ができるかを考え抜くことも重要なことなんだろうと思っています。

今後の展望とスタートアップ起業家へのメッセージをお願いします!

独立するタイミングで、ファンドの軸になるものを考えるために前職時代から好きだった領域やこれまでの意思決定などいろいろなことを振り返り、「選択肢を最大化し選択を諦めない社会を創る」というのをファンドの目標に掲げました。

ありがたいことに僕自身の学生時代は何不自由なく、むしろ贅沢をさせてもらって過ごしてきたと思っています。ただ、母子家庭出身であることを含め様々な経験の中で、人は置かれている状況によって視野が広くなったり狭くなったりするものだと思うようになりました。

もちろん「本人がその気になれば置かれている状況は関係ない」という意見も理解はしていますが、僕は、どこに住んでいるかやお金があるかないか、健康か健康ではないかなど、その人がどのような状況に置かれているかに関わらず、自分の選びたい選択肢が見え、その選択をして後悔のない生活ができる状態を創っていきたいです。

弊社自体も23年にできたばかりのVCです。歴の長いVCさんに比べればまだまだ粗削りですが、これからしっかりと実績も積み上げていきたいと思っています。

ぜひ、一緒に切磋琢磨できる起業家さんとご一緒できれば嬉しいです。

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