「アントレプレナーになるためのロードマップとは / SHE福田恵里さん×ヒュープロ山本玲奈さん×スマートラウンド冨田阿里さん」注目企業の女性アントレプレナーによるSusHi Tech Tokyo 2024セッションレポート

2024-05-23

  • イベントレポート

アントレプレナーになるためのロードマップとは / SHE福田恵里さん×ヒュープロ山本玲奈さん×スマートラウンド冨田阿里さん

SusHi Tech Tokyo 2024セッションレポート

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Startup Next編集部がお届けする、起業家のライフ特集。
ビジネスの側面だけでなく、子育てや婚前契約、健康など、起業家という人生・生活を送る上でのヒントになる話をお届けします。今回はのテーマは「アントレプレナーになるためのロードマップ」です!


アントレプレナーとして道を切り開いてきた女性たちは、どのタイミングで何をどう決断してきたのか。

そのロードマップについて、SHE株式会社代表取締役CEO/CCO福田恵里さん、株式会社ヒュープロ代表取締役山本玲奈さん、株式会社スマートラウンド取締役チーフエバンジェリスト冨田阿里さんとともにディスカッションを行いました。

本記事では、2024年5月16日(木)に開催された「SusHi Tech TOKYO 2024 Global Startup Program」Day2のセッション「アントレプレナーになるためのロードマップ - 女性アントレプレナーたちに聞く」の内容をお届けします。当日のモデレーターは、インキュベイトファンド代表パートナーのポール・マクナーニさんが務めました。

※役職は2024年5月16日時点のものです。

【SusHi Tech Tokyo 2024】
2024年4月27日(土)〜5月26日(日)にかけて東京ビックサイトにて開催された、持続可能な新しい価値を生み出すためのテックイベント。世界が直面する課題へ立ち向かうためのテクノロジーやアイデアが一堂に集結しました。世界五大陸の都市のリーダーが集う「シティ・リーダーズプログラム」、アジア最大規模のスタートアップイベント「グローバルスタートアッププログラム」、未来の都市モデルを発信する「ショーケースプログラム」、この3つのプログラムを 同時期に開催することで、都市課題の解決に向けた「未来のはじまり」に取り組む。
https://www.sushi-tech-tokyo2024.metro.tokyo.lg.jp/

登壇者プロフィール

■福田恵里(SHE株式会社 代表取締役/CEO/CCO)
大阪大学在学中、サンフランシスコ・韓国に留学。学生時代に初心者の女性向けのWebスクールを立ち上げ、約500名以上が受講。卒業後リクルートホールディングスに新卒入社し、ゼクシィやリクナビのアプリのUXデザインを担当。2017年26歳の時に、ミレニアル女性向けのキャリア支援を行うSHE株式会社を設立。主要事業である「SHElikes」は累計受講生7万名以上を突破。2020年に同社代表取締役CEOに就任。プライベートでは2児の母。

■山本玲奈(株式会社ヒュープロ 代表取締役)
1993年生まれ、慶應義塾大学法学部法律学科卒業。インドネシア・アメリカなど18年の海外生活を経て、大学生時代の司法試験の勉強やビジネスコンテストへの出場をきっかけに、2015年11月に株式会社ヒュープロを設立。「アジアを代表する会社を作る」というビジョンの実現に邁進するとともに、女性起業家を増やす活動にも力を入れている

■冨田阿里(株式会社スマートラウンド 取締役チーフエバンジェリスト)
神戸大学海事科学部を卒業後、株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)へ入社。スタートアップの採用支援と新規事業開発を行う。2016年に株式会社セールスフォース・ドットコム(現:株式会社セールスフォース・ジャパン)に入社し、スタートアップ戦略部を立ち上げ。スタートアップの魅力や可能性を確信すると共に「スタートアップが可能性を最大限に発揮できる世界をつくる」のミッションを実現するため、2019年株式会社スマートラウンドへCOOとして入社。2023年6月より取締役チーフエバンジェリストに就任。

■Paul Mclnerney(インキュベイトファンド 代表パートナー)
1997年にリクルートに⼊社し、デジタル事業の⽴ち上げとネット系企業のベンチャー投資 を主幹。リクルート在籍時にメディオポート(オンラインゴルフ予約)の⽴ち上げに参画し、2002年に楽天に事業を売却。 2002年にリクルート からマッキンゼーに転職し、2007年にパートナーに昇格し、2014年にシニアパートナー。アジア太平洋のマーケティング&セールスグループの責任者、アジア太平洋のアナリティクスグループの責任者、QuantumBlack Japan のマネージングパートナー、アジア太平洋の消費財・⼩売グループの責任者を歴任。 マッキンゼーにおいて⼩売、消費財、メディア、通信、⾦融、製薬の各業界の顧客に対して成⻑戦略やデジタル・AI、ブランディング、マーケティング、M&A の各領域における戦略と事業⽴ち上げの⽀援を実施。 2021年3月より、インキュベイトファンド代表パートナー就任。

なぜ起業を志した?

――はじめに、皆さんが起業したきっかけ・創業メンバーになったきっかけを教えてください!

福田:大学生の頃は「起業」なんて全く辞書になく、バイトとサークルと飲み会に明け暮れる日々でした(笑)

そんな時、大前研一さんの「人間が変わる方法は3つしかない。1番目は時間配分を変える。2番目は住む場所を変える。3番目はつきあう人を変える。この3つの要素でしか人間は変わらない。最も無意味なのは、『決意を新たにする』ことだ」という言葉に出会い、思い切って場所を変えよう!と決意したのがきっかけでした。

えいや!という勢いで、アメリカのサンフランシスコに留学したんです。そこがたまたま世界の起業家たちが集まっている場所で。

プログラミングの勉強会に参加し、アイデアが形になっていく流れを学んだのですが、その勉強会の参加者が私以外全員男性だったことから、女性がプログラミングでアイデアを形にするスクール事業を思いついたのが今のサービスの原型です。

山本:私は元々弁護士を目指していて、自分が起業するとは思っていなかったですね。子供の頃から18年間海外に住んでいたので「日本ってすごい!」と思っていたのに、日本に帰ってきたら皆「日本はダメだ」と言っていることにまず衝撃を受けました。

日本で生活を続けていく中で、周辺のアジア諸国の急速な成長に対し、日本の成長が鈍化しているニュースを見ながら母と話しているときに「そうは言っても今あなたに何かできるの?」と諭されました。

この時から、自分の手で何かできないかを考え始めるようになりました。加えて、今やらなかったらこの先もやらないだろうな、という気持ちがあり、就職という選択肢も弁護士になるという選択肢も捨てられないままではありましたが、ビジネスコンテストに応募をしました。

冨田:私は新卒でインテリジェンスという総合人材サービスの企業に就職し、スタートアップのお客様を担当させていただきました。その急成長を目の当たりにし、私もやりたい!と思うようになりました。

参加したアクセラレータープログラムでもダメ出しの連続、投資家からはスタートアップとして成立しないので、NPOをやれば良いのではないか?とアドバイスをいただき、行き詰まっていた時、起業経験のある当社の代表の砂川に声をかけてもらい入社を決めました。

――皆さんがアイデアを考えた時、一見無謀なアスピレーション起点か、できそうなことの延長を考えていったかでいうとどちらに近いでしょう?

山本:私は、最初から夢は壮大ではあったのですが、まず自分の周りのことや自分の手で解決できる通訳や営業代行などから着手し始めました。

福田:私は、スタートアップならユニコーンでIPOでしょ!というノリでしたね(笑)パッションと夢だけでやっていました。

――スマートラウンドも無謀とも言えるいい感じのアスピレーションを持っていますね

冨田:投資家が敬遠しがちな「今ないマーケット」なので、無謀と言えば無謀かもしれないですね。でも無謀かどうかよりも、自分たちが誰の役に立ちたいかを考えていました。起業家って尊い生き物で、絶対に起業家の役に立ちたいし、このビジネスモデルでも「このメンバーならやれる」と感じ、突き進んでいます。

最初の投資家・最初のメンバーはどう集めた?

福田:私はリクルートの同期と2人で創業しました。元々は彼女が代表で、私は取締役としてプロダクトやサービスを作るという役割分担をしていました。投資家探しに関しては、スタートアップ起業家に紹介してもらってひたすら会いまくり、事業計画を見せてプレゼンしまくりましたね。

「10人会って1人良いって言ってくれたらいい」くらいの期待値でした。投資家側ももちろん選ぶ権利があるし、自分たちにも投資家を選ぶ権利があるので「あくまでマッチングだ」と思っていました。投資できない場合もどうブラッシュアップしたらいいかをアドバイスしてくださったり、壁打ちしてくださったりと親切な方が多かったです。

ちなみに、ポールさんにお聞きしたいのですが、女性起業家に投資するときに注視している観点ってありますか?

ポール:無謀なアスピレーションをお持ちの方が好きですね!あとはフットワークが軽い方。構え過ぎずに動ける方が良い気がします。傾向として、男性よりも女性の方がコンサバになりがちな気がしているので、勿体無さを感じることが少なくないからです。打たれ強さやある意味での”生意気さ”もあると良いですね。

福田:生意気さですか!

ポール:投資家をリソースとして考え、使い倒そうというマインドですね。

福田:確かに大事ですね!お金を出してもらうから「投資家が上」という感覚になりがちですが、起業家と投資家って同じ夢に向かう仲間であって、役割が違うだけですもんね。

ポール:そうなんですよ。中には、株主に対してToDoリストを作り、株主総会の度に「前回お伝えしたこのタスク、どうなりました?」と進捗を確認する起業家もいます。とても良いですね!

山本:私は投資家との関係の感覚が身についたのは、かなり後になってからな気がします。正直、最初は投資家は怖い存在でしたが、今では採用・ビジネス・広報のことなど幅広い相談やお願いをたくさんできるようになったと思います。これがポールさんのおっしゃっていたある意味での「生意気さ」でしょうか。

もっと早く使わせてもらえばよかったと思いつつも、前は何をお願いできるかもわからなかったんですよね。

福田:確かに、それぞれのVCがどんなアセットや強みを持っているのかわからないですよね。関係性ができあがったVCにVCの裏側を聞いて、誰に何をお願いすることでチームとしてパフォーマンスを最大化できるか考えるようになっていきました。

冨田:VCのスタイルは、それぞれ異なりますよね。ファンドごとにも違いますし、キャピタリストごとにも違いがあります。結局は「人」なので、その情報をできるだけ創業時の起業家に届けたくてオウンドメディア「Startup Next」で投資家インタビュー連載をやっています。

福田:思えば最初の投資家ってすごく思い入れが強いです。一緒に夜中まで作業してくださったり、一緒に営業に行ってくれたり。その方に恩返ししたくて今も頑張っている側面があります。創業期にどんな投資家に投資してもらうのか、これはとても重要な気がしますね。

山本:ちなみに私は事業の状況は動画で報告しているんです。「起業家は株主への報告のために時間を取るべきじゃない」という投資家からのアドバイスで。

ポール:動画で報告!面白いですね!

起業する前の自分へメッセージ

――最後に、起業する前の自分に今の自分からメッセージを贈れるとしたら何と伝えるでしょうか?

福田:まずは「起業して本当によかった。よくやった!」と伝えたいです。リクルート時代はポンコツ社員でしたが、私には起業家としての自由と責任が肌に合っていたように思います。それに今ってセーフティーネットがたくさんあって、起業した人は仮に失敗したとしてもどこに行っても引っ張りだこですよね!いつか起業したいなら本当に今すぐにやったらいいと思います。

冨田:私は「スタートアップを始めてしまったら、忙しすぎて子供が産めないのではないか。選択肢が無くなるのがイヤだな」と不安でした。しかし、「未来のことなんて誰にもわからないし、世の中の環境も変わるし、その時々の自分がなんとかするから大丈夫!チャレンジして!」と伝えたいです。経験を重ねて、自分に見えないなにかを不安に思う必要はないことに気がつきました。

山本:私は「もっと早く起業しろ」と言いたいです(笑)早ければ早いほど良い。こんなことがやりたいなと思ってから1年半くらい悩んで、ビジコンも弁護士の勉強も就職も…と中途半端な時期が長かったので。起業してしまえばやらざるを得ない状況になるので、もっと早く起業しちゃえばよかったです。

――本当に今、どんどん起業する環境が整っていっていますよね。もし失敗したとしても、スタートアップを経験した人を欲しがる企業は大企業をはじめとしてとても多い印象があります。少しでも起業に興味がある方は、どんどん挑戦してほしいですね!

お三方、貴重なお話をありがとうございました!

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