「U25の起業家の成功モデルを、再現性を持って増やしていく」F Ventures 両角将太さん

2024-05-22

  • インタビュー

U25の起業家の成功モデルを、再現性を持って増やしていく

F Ventures 両角将太さん

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Startup Next編集部がお届けする、今をときめく!投資家インタビュー。志を持って活動される投資家のみなさんのバックグラウンドや考え方に、一歩踏み込んでご紹介しています。今回はF Venturesの両角将太さんにお話を聞きました。

両角将太
1988年、福岡生まれ。2012年早稲田大学卒業。在学中に、IT起業家特化型インタビューメディアを立ち上げ。2011年からサムライインキュベートにインターンとして所属、その後入社。日本最大級のコワーキングスペース「SSI」のマネージャーを担当。また、同社の企画、広報、営業、投資先支援、イスラエル進出を担う。2015年、法人アライアンス事業を統括。2016年、前職を卒業し、福岡を拠点としたVCであるF Venturesを設立。タイミー、パンフォーユー、PoliPoli、Charichari、COSOJI等に出資。スタートアップイベントTORYUMONを半年毎に東京と福岡で開催。

投資条件や投資実績がわかる!両角将太さんの投資家プロフィールはこちら👇(顔写真をクリックするとプロフィールを閲覧できます。)

まずは、両角さんについて教えてください!

F Ventures代表パートナーの両角です。プレシード期のスタートアップに出資したり、スタートアップイベントTORYUMONを半年毎に東京と福岡で主催したりしています。

僕自身は、福岡生まれ福岡育ちで予備校まで福岡に住んでおり、東京の大学に進学しました。中小企業の経営者だった親の背中を見て育ち、僕も経営者になるべく会計士の受験勉強をしていました。ただ、4年生の時に「いつか経営者になろうとしているのに、自分には何もないな」とコンプレックスを感じ始めたんです。

Twitterが出始めたタイミングで、起業家という存在が可視化され始めたことも関係しているかもしれません。ブロガー全盛期時代でもあり、焦りながらも「こういう活躍の仕方があるんだ!自分でもできそう!」と心が震えたのを覚えています。

そこでIT起業家に特化したインタビューメディアを立ち上げ、まず「起業のファイナンス」の磯崎さんに出ていただきました。泥臭く聞こえるかもしれませんが、刊行イベントに行ってサインをもらう時に「インタビューさせていただけませんか」とお願いしたんです(笑)

たまたま磯崎さんが本当に良い方で「熱意ある若者を応援したい!」という思いからなのか、非常に丁寧にインタビューに応じてくださいました。その後、ライフネット生命の副社長だった岩瀬大輔さんやサムライインキュベートの榊原さん、メルカリの山田進太郎さん、ネットエイジ西川さんなど名だたる経営者の方々にインタビューさせていただきました。

それがきっかけで榊原さんに「うち(サムライインキュベート)に来なよ!」とお誘いいただき、4日後にはフルタイムのインターンが始まっていましたね。そして、そのままサムライインキュベートに入社しました。都内でスタートアップイベントが月に1,2回程度しかなかった時代に、1人で年間200回ほどの異常な数のイベントを開催するので、起業家だけでなく、大企業、士業、メディアなど自然と幅広いネットワークを広げることができました。

また、大企業がスタートアップを支援する事例はほとんどなかった当時、IBMさんと連携して日本初の「大企業がVCと連携してスタートアップを支援するアクセラプログラム」を立ち上げたりもしました。それを皮切りにアクセラがどんどん増えていったので、先がけとして認知された気がします。

他にもコワーキングスペースの管理人を任せてもらったり、企画・広報・営業・投資先支援・イスラエル進出など本当に様々な経験をさせてもらいました。

両角さんが投資家になったきっかけは何ですか?

独立しようと思ったきっかけで言うと、サムライインキュベートで働いている時、若手VCがどんどん出てきたタイミングで、近しい人が独立していく姿を見て「自分もできるかなぁ」と思い始めたんです。

とはいえ当時は経験豊富なVCの方が多かったり、規制が変わって若手がファンドを立ち上げにくい状況になったりと不安だらけでしたが、「失敗してもなんとかなる」という自信はありました。榊原さん含め、応援してくれる人が周りに多く、人の繋がりに恵まれていましたね。

正直、サムライインキュベートという看板がバックにあるうちは、自分の実力よりも会社のブランドのおかげで仕事ができている感覚だったんです。元々、学生の頃からいつか経営者になると決めていたこともあり、「自分自身の顔と名前でファンドを作りたい」という思いは日に日に大きくなっていました。

実際にVCを立ち上げた当初は案の定断られまくり、自分という看板がまだまだ弱いことを痛感させられました。それでも、共感し応援してくれる誰かがいる以上は行動して結果を出すしかないと思い、ここまでやってきました。

お写真:新オフィスにて(2024)

現在はどんなところに投資していて、投資先とはどんな関係ですか? 

1つの事例を取り上げると、弊社はタイミーの初回ラウンドに投資しました。代表の小川さんは元々弊社のインターン生からの紹介でお会いし、TORYUMONでピッチしていただき、初めての外部株主としてシード投資をしたんです。あっという間に事業拡大し、今や注目のスタートアップになりました。こんなに嬉しいことはないです。

また、PoliPoliやRATEL、FLICKSHOT、Phiのように「インターンを卒業して起業」という事例が出てきたため、「F Venturesさんのインターン生は優秀だ」と言われることが増えてきました。この再現性を高めていきつつ、引き続き若い起業家に積極投資していく方針は変わりません。

お写真:タイミーの学生起業支援プログラム(2019)

投資領域としては、結果論ですがエンタメを中心にtoC領域が多いです。学生の起業はtoCが多いですし若い人がより新しいトレンドに気づきやすいので、自然と先行優位性が効きやすい領域になっているという認識です。基本的にはインターネット領域に張っていきたいので、バイオや研究開発系は投資していないですね。

投資先とは、まず何でも相談できる存在でありたいと思っています。実務的なところでいうと、事業の壁打ちや増資に至るサポートはもちろん、採用や広報の支援をすることもありますね。

魅力を感じる事業や起業家はどのような人ですか?

作ろうとしている事業に対して、原体験がある人です。

シンプルな話ですが、原体験がある人の方が(事業を)続けられると思うんですよね。「この課題をどうしても解決したい」という気持ちが弱いと、ある程度お金が稼げてしまったらそれ以上踏ん張る理由がないからです。

「人生かけてでもこの事業をやりたい」と話す人には、大抵、辛い思い出や深いコンプレックスなど強烈な原体験があります。そういう人は、何がなんでも諦めないと思っています。

お写真:福岡における小川くんを囲む会(2019)

ちなみにインターン生としては、起業家やプロダクトが大好きで、好奇心旺盛な人を歓迎しています。リサーチすることも多い仕事なので、新しいプロダクトについて知りたい人や「こういう世界が来るんじゃないか?」と考えてワクワクできる人がフィットすると思います。

インターン生はX(旧Twitter)で募集していたり、最近では弊社が開催するイベントの中で募っています。応募いただいた方の情報感度の高さや成長意欲などを判断し、面談で弊社との相性やコミット度合いを測ります。経験の有無は関係なく、僕自身の経験やF Venturesの環境が彼ら・彼女らの成長に寄与できるかどうかを見ています。

インターン生としての活動は、イベントの企画・運営やリサーチ業務を含めTORYUMONのコアメンバーとして活躍したのち、TORYUMONの代表を務めてもらいます。さらに経験を積み、起業家へのリスペクトと必要な知見とネットワークを持ちうるメンバーには、投資業務を担うアソシエイトとしての業務を任せることもあります。いつか起業したい人には非常に良い経験になると思います。多様なビジネスモデルに触れられたり、投資家目線が学べたり、ネットワークが築けるなど、起業するならこの上ない環境が整っていると自負しています。

今後の展望とスタートアップ起業家へのメッセージをお願いします!

3号ファンドでの新規投資が終わりに差し掛かってきているので、次のファンドのことをそろそろ考えなければ、と思っています。

また、TORYUMONの強化を通して質の高いコミュニティ形成をしていきたいです。具体的には、TORYUMONを通じて創業メンバーの採用が決まったり、エンジェルやVCからの投資が決まったりする事例が実際に幾つも出ているので、その流れを拡大するためにもよりイベントを大きくしたいですし、イベントが単発で終わらないようコミュニティ化し、エコシステムを構築していきたいです。

TORYUMON以外のところだと、引き続きいろんな起業家の人に会っていきたいと思っています。タイミーのように、無名な起業家が一躍スターになるところを下支えしたいという気持ちが強いです。

特に地方だと、親世代の「地元の有名企業に就職しなさい」という圧力がまだまだあると思います。でも今は、個人で戦える武器がたくさんある時代です。就職しなくても、やりたいことをやって生きていける時代です。あくまで起業は選択肢であり、強制はしたくはないですが、その中で僕らは「起業」という選択肢を取る若者を支援し、環境を整えていきます。

そうして起業家が増えれば、日本経済のプレゼンスが上がっていくと思っています。

お写真:TORYUMON TOKYO(2023)

起業家へのメッセージは「苦境に立たされても自分を信じて、絶対に諦めないでほしい」です。

僕もVCを立ち上げる時、全く相手にされず断られまくった経験があります。起業家と同じく、ファンドへの出資の提案が断られると自分が否定されたような気持ちになりますが、自分を信じてくれる人も必ずいます。

そんな時でも突き進むしかありません。時々「鈍感力がすごいね」と言われますが、そう見えるのは「悩んだり落ち込んだりする暇があるならひたすら行動するしかない」と思っているからだと思います。傷は行動で癒して、周りに背中で見せていきましょう。

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