「全ての人がWinになるスタートアップ支援の魅力を伝えていきたい」司法書士 丸山洋一郎さん

2024-03-14

  • インタビュー

全ての人がWinになるスタートアップ支援の魅力を伝えていきたい

司法書士 丸山洋一郎さん

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Startup Next編集部が、スタートアップを陰で支える強力な支援者にせまる「スタートアップの裏方インタビュー」。普段は表舞台に出てこない支援者の活動や支援への思い、目指す場所をクローズアップしてお届けします。今回は司法書士の丸山洋一郎さんにお話を聞きました。

丸山洋一郎
1976年生まれ。東京の司法書士事務所と愛知県の司法書士事務所を経て2012年2月から丸山洋一郎司法書士事務所を開設、2022年に司法書士法人化。スタートアップの商業登記手続き(VCからの資本を調達する際の種類株式、ストックオプション、組織再編)を専門分野とする。NAC(名古屋エンジェル投資家コミュニティ)の運営メンバー。

支援内容がわかる!丸山洋一郎さんのアドバイザープロフィールはこちら👇(顔写真をクリックするとプロフィールを閲覧できます。)

まずは、丸山さんについて教えてください!

愛知県で、司法書士法人丸山洋一郎事務所の代表を務めている丸山洋一郎と申します。私自身は、スタートアップ支援を専門にしている司法書士です。

弊事務所は企業法務系の事務所で、取扱業務の割合は商業登記が7割、不動産登記が2割、その他が1割となります。商業登記の中でも組織再編やストックオプション関連に強いです。

また、上場を目指すようなスタートアップ企業からご依頼を受けることも多く、弊事務所のクライアントが年間に3社上場した年もありました。結果として定期的にご依頼をいただける上場企業のクライアントも年々増加しています。

このような司法書士業務の傍ら、NACという名古屋のエンジェル投資家コミュニティの運営もしています。私を含めて4人の仲間で立ち上げました。NACでは、名古屋のエンジェル投資家とスタートアップの出会いの場として2ヶ月に1回の頻度でクローズドなピッチ会を開催しています。

なんと、2回に1回はスタートアップ企業への投資も決まっており、少し前のピッチでは4,000万円を調達した企業がありました!また、調達を受けたスタートアップ企業が次のラウンドでVCから調達を受けるケース、M&Aでバイアウトを果たすケースも出てきました。

この取り組みは経済産業省からも注目され、第12回のNACには経済産業省の職員7名が見学に来てくださいました。民間のお金を活用し、スタートアップ企業へのリスクマネーを提供する取り組みが、経済産業省からも評価されたと自負しております。

丸山さんがスタートアップ支援を始めたきっかけは何ですか?

元々はスタートアップに限らず、上場を狙う企業の上場支援をしていました。

その中で、スタートアップを支援する楽しさを知ったんです。具体的には、一緒に成長していく楽しみや、困難を乗り越えていく喜び、僕らが知らない世界を見せてくれて教わることがたくさんあるところですね。非常に魅力的な仕事だと思っています。

しかし、楽しいばかりではありません。スタートアップ支援ができる士業は本当に少ないので、情報がないんです。種類株式・SOなど、スタートアップならではの重要な仕組みに関しても書籍が全然ないので、力をつけようにもまず正確な情報を掴むところから苦戦します。

おまけに、シード期のスタートアップ支援はマネタイズの観点だけで言うとあまり儲かりません。その結果、やる人が少ないので認知もなく、士業には「スタートアップって何?」「聞いたことない」と仰る方もまだまだ多いです。

その中で、「やっている人が少ないからこそ、やりがいを感じている自分がやらなければ」という気持ちでスタートアップ支援を中心に据えました。

エンジェル投資家コミュニティの運営を始めたきっかけも教えてください!

司法書士としてスタートアップ企業を支援する過程で、登記手続きの支援だけでは足りないと思い始めたからです。

スタートアップ企業にとって正しく迅速に登記手続きを行うことはもちろん大切ですが、それ以前の問題として、スタートアップ企業が成長するにはまずはお金が必要です。そこで、資金集めという課題に正面から取り組みたいと思いました。

最近はVCの数も増えてきていて、ピッチやSNSなどでスタートアップ企業がVCと知り合う機会も増えています。

ただ、スタートアップ企業に最初にリスクマネーを提供するエンジェル投資家の絶対数は足りないと感じています。特に私が事務所を置く愛知県では、エンジェル投資家の数が足りていません。

東京では上場やM&Aをする企業の数が多く、成功した経営者が後進企業に投資するという形で、自然とエンジェル投資家が生まれます。このエンジェル投資家がスタートアップ企業に投資をすることで、スタートアップ企業へのお金が循環しています。

しかし、愛知県ではまだまだ上場やM&Aをする企業の数が少なく、上場やM&Aの数が増えることを待っていてはスタートアップ企業へのリスクマネーの提供が間に合いません。そこで、非上場だが資金に余裕のある企業や個人を巻き込んで、エンジェル投資家とスタートアップ企業が出会える場を作れないかと考えました。

秋元康さんが「ここに行けばアイドルに会えるAKB48劇場」を作ったように、「スタートアップ企業はここにいけばエンジェルに会える、エンジェルはここに行けばスタートアップ企業に会える場所」を作れば、愛知県のスタートアップ企業へのお金の循環の問題が解消できるのでは?と思ってNACを立ち上げるに至りました。

スタートアップ支援は普段どんな関係性で行っていますか?

距離感はかなり近いです。「友達」は言い過ぎですが、仲間感があります。投資家とは違って完全にスタートアップ側なので、同じ船に乗っている同志ですね。飲みに行ったりもします。

ただ、馴れ合いになってはいけないので「これは違うな」と思ったらきちんと言うことは言います。例えば、若くして多額の資金調達に成功したりメディアに出たりする中で、気持ちが過剰に大きくなってしまうことがあるので、そういう場面では「謙虚に」とお伝えします。誰にも言ってもらえないのは不幸だと思うので。

支援する中で印象に残っているエピソードがあれば教えてください!

やはり何と言っても、支援先のスタートアップが上場する瞬間ですね。これまで7社上場を見届けましたが、そのどれもが思い出に残っています。

上場時、東京証券取引所で鐘を鳴らす「上場セレモニー」がありますが、支援先のスタートアップが鐘を鳴らすタイミングで、愛知のオフィスにあるレプリカの鐘を東京に向かって鳴らすんです。

社長1人の時から知ってる方が晴れ舞台で鐘を鳴らす姿を見ると、本当に泣けてきます。言葉にできないほど嬉しいです。

また、NACの運営をする中で、それまでスタートアップにあまり興味がなかったような方でも、スタートアップのピッチを聞くと皆さんひどく感動されます。その様子を見ていると、毎回胸が熱くなりますね。

一方しんどいのは、スタートアップがなかなか資金を調達できずに苦しんでいる姿を見る時ですね。

スタートアップ業界のどんな未来を目指していますか?

スタートアップ支援を担う士業と、エンジェル投資家を増やしていきたいです!

スタートアップ企業を支援する士業の担い手はまだまだ不足しています。司法書士に関しては、大きなことを申し上げると、自分が先陣を切って実績を上げ、その背中を見せていきたいです。共感していただけるかたは是非ともお声がけください。一緒に新しい司法書士の業務分野を確立していきましょう。

地方のエンジェル投資家を増やす取り組みに関しては、全国に広めていきたいと思っており、大阪では兄弟団体であるKACの立ち上げに関与しています。AKBが全国に劇場を作っていったように、NACも全国で兄弟団体の立ち上げを支援していきたいです。

スタートアップ支援って、関わる全員が「Win」なんですよね。

社会課題に取り組むスタートアップが成長し事業をしっかり展開できれば、まず社会にとってWinですし、スタートアップにとってもWinです。そこに出資した投資家もWinですし、私たちのような支援者としても依頼者が育つことはWinになります。こんな素晴らしいことってないですよ。

私は、この全員Winな社会を目指して、スタートアップ支援をライフワークとしてこれからも頑張っていきます。

最後に、これを読んでくださっている方の中で、お金はあるけどエンジェル投資をしたことがない方はぜひ、ピッチを見に行ってください!若い人のピッチには、感じるものがあるはずです。オンラインではなく現場に行って、肌で感じて欲しいです。もし、胸にくるものがあったら、それがエンジェル投資家としての核になります。

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