「世の中に求められるサービスを創る女性起業家を応援したい」 エンジェル投資家 小島舞子さん

2024-03-13

  • インタビュー

世の中に求められるサービスを創る女性起業家を応援したい

エンジェル投資家 小島舞子さん

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Startup Next編集部がお届けする、今をときめく!投資家インタビュー。志を持って活動される投資家のみなさんのバックグラウンドや考え方に、一歩踏み込んでご紹介しています。今回はエンジェル投資家の小島舞子さんにお話を聞きました。

小島 舞子
株式会社クラフター(旧:チャットブック)代表取締役社長。一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)協議員。AI Women Initiative 発起人。NPO法人Waffle Technovation Girlsアントレ講座 講師。10年以上新規サービスの企画立ち上げに関わる。創業直後に資金調達を発表しTechCrunch DisruptとTech in Asiaに登壇。テクノロジーに境界はないと海外中心の優秀なエンジニア組織を構成。2022年7月マネックスグループに同社を売却。
現在Newspicksのプロピッカーとして活動中。

投資条件や投資実績がわかる!小島舞子さんの投資家プロフィールはこちら👇(顔写真をクリックするとプロフィールを閲覧できます。)

まずは、小島さんについて教えてください!

株式会社クラフター創業者代表取締役社長の小島です。

大学在学時に友人と会社を立ち上げ、6年間経営に携わった後に退職し、学生起業では経験できなかった「数百万のサービスでなく、数千万人が使うサービスを経験したい」という想いからリクルートに転職し、ウェブディレクターとして働きました。経験あるチームメンバーに迎えられチャレンジングなプロジェクトに配属してもらいましたが、結果として5ヶ月しか在籍しませんでした。

当時MessengerのMAUの月間アクティブユーザー数(MAU)が10億人を突破したと報道があり、Messengerの中で動作するチャットボットに注目が集まりました。リクルートが提供する旅行や美容の体験がチャットでスムーズにできると面白そうだと感じ、社内で立ち上げるより自分でやりたいという思いが強く、すぐに株式会社クラフター(当時名称:株式会社ヘクト)を創業しました。

その後は、チャットボットという技術革新から始まったSaaSツールを、実際にビジネスに利用されるために色々なPDCAを経て、今のマーケティング特化型チャットボット「CraftChat」となりました。2022年7月にマネックスグループ株式会社に同社をM&Aしています。ジョイン後も、社長というポジションのまま新規サービス企画立ち上げに関わり、昨年6月に企業が安全にChatGPTを使える「Crew(クルー)」をリリースしています。

小島さんがエンジェル投資を始めたきっかけは何ですか?

2022年6月末に会社をexitした後、昔からの友人の紹介でお話をいただいて応援の気持ちで出資させていただいたのが最初です。たまたま審査員をしていたGenerative AI 起業家ピッチで優勝された方に出資させていただいたこともあります。2023年からエンジェル投資を始めたばかりで、件数としては10社ないくらいです。

私にとってエンジェル投資は「推し活」に近い感覚です。「面白いサービスを提供している会社だな」と創業期から注目している会社が、いざ上場するとなると「あの会社がついに!」と嬉しくなりません?私はそんなふうに、推しを応援するような気持ちで出資を決めています。

現在はどのような企業(または人)に投資をしていますか?また、投資先とはどのような関わり方をしていますか?

女性起業家かつIT領域の会社を中心に出資しています。私自身が資金調達で苦労しましたし、スタートアップ業界はまだまだ男性中心の社会だと感じる部分もあるので、その中で私は女性起業家をサポートしていきたいです。

IT領域なのは、私のバリューを発揮できる方が良いと思うからです。また、投資だけでなく国内外の女性支援や教育支援などを行う団体への寄附もしています。

関わり方ですが、基本的にこちらから進捗を確認するようなことはなく、連絡が来たら対応する形です。ペースでいうと3ヶ月に1回くらいです。サービスリリース間近な時は週1でやりとりすることもあります。

どのような支援をするかは出資先によりますが、相談に乗ったり、事業シナジーがありそうな会社の社長やVCを紹介したり、食事に行くこともありますね。

魅力を感じる起業家はどのような人ですか?

まずは、市場選択のセンスは見ています。これは大前提です。

それから「レジリエンス」と言われていますが、困難をどう乗り越える人なのかも見ています。

Ycombinatorも良い創業者の特徴として実行力を上げていますが、前回のフィードバックからアクションしたかどうか、どのような結果が出たかを報告してくださる方は好感が持てます。フィードバックを受け止めて活かせる方は魅力的です。

ちなみに、私も起業家としてVCやエンジェル投資家に出資してもらったことがある身として今になって思うのが、もっと投資家に頼ってよかったなということです。

「投資家は忙しいから、何か大きな出来事がないと連絡しちゃいけない」と思っていたのが大変もったいなかったです。投資家は企業の価値を上げるために存在しているので、投資家の得意領域と自分の課題が重なることがあれば、良いことも悪いこともどんどん連絡したらよかったと思っています。もっとdemandingに、「こんなことできませんか?」「これお願いできないですか?」「これに困っています」と聞く姿勢を持つといいかと思います。

なので、質問の答えとは少し逸れるかもしれませんが、「人に頼れる力」があると良い気がします。

今後の展望とスタートアップ起業家へのメッセージをお願いします!

昔から言ってることですが、私は何億人レベルでたくさんの人が使う大きな事業を作りたいです。内容としてはやはりSaaSやITですね。そして、ずっと最前線にいたいです。

生成AIも出てきて、テクノロジーはどんどん面白くなってきたなと感じます。既存のイノベーションは世の中の課題が起点で「この課題を解決するためにこんなビジネスをやる」が主流でしたが、生成AIは技術先行のイノベーションですよね。「こんなに面白いものがある。さて、どうビジネスにしていこうか?」とあらゆる人が考えていると思います。

今までになかったものなので、私も含めどんな人でもチャレンジできる環境になっています。人々の暮らしを良くする事業を、ゼロイチで考える大変に面白いタイミングだと感じてワクワクしています。

引き続き、エンジェル投資もやっていきます。女性起業家のサポートも続けていきたいですね。例えば、AI関連でリーダーを目指す女性向けのAIコミュニティ※があるのですが、こちらの参加者を増やして、AIにおける女性率を増やしたいと考えています。

※女性AIリーダー人材の育成・推進コミュニティ「Women AI Initiative

起業家の方へのメッセージは「顧客が欲しいものを作れ」です。YcombinatorのPaul Grahamも「Make Something People Want(人々が求めているものを作り出せ)」の言葉で、クラフターのバリューの一つです。

今は「スタートアップ冬の時代」と呼ばれたりもしますし、厳しいこともたくさんあると思います。でも「売上を上げたい」「業務を効率化したい」など、お客様のニーズは変わりません。つまり、常に本質的なものが求められているということなので、本質的なものを作り続ければいいのだと思います。

B向けでもC向けでも、お客様ファーストでありさえすれば必ずいつか春が来ます。一方で、お客様は直接ニーズを言ってくれないので、ちゃんとプロダクトの裏側の数字を見てその向こうにいらっしゃるお客様を捉えるのが重要です。

資金調達を検討する企業に向けてメッセージをもう一つ加えるなら「出資を断られたとしても、関係性は大事にしてください」です。

VCにも断る様々な都合があり、決して貴方や事業を嫌っているわけではないということを認識してください。特にエンジェルの場合、「自分がバリューを発揮できないラウンド」や「たまたま今月は別のことにお金を使うから出資ができない」など、「えー!そんな事情で!?」ということで断ることもあります。なので、気にしない。思い出さなくていいし、カラッと忘れて次を見ましょう。

VCもエンジェル投資家も日々たくさんの人に会っているので、気にせずまた連絡して、頼っていいと思います。出資を断られた後でも、お願いしたいことがあれば丁寧に連絡したらいいと思います。

まだまだ私もやりたいことがたくさんある身なので、一緒に頑張ろうという気持ちが強いです。世の中にとって良いものをどんどん作っていきましょう!

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