
2024-01-11
「社会を良くするアイデアを潰さず育てるのがQWSの使命」 ピッチコンテストQWS STARTUP AWARD #2にエグゼクティブディレクターがかける思い
SHIBUYA QWS エグゼクティブディレクター 野村幸雄さん
東急、東日本旅客鉄道、東京地下鉄による合同出資により設立された渋谷スクランブルスクエア株式会社が運営するSHIBUYA QWS(渋谷キューズ)。2024年で開業5周年を迎える同インキュベーション施設は「問うだけじゃなく、出会うだけじゃなく、生み出すだけじゃなく、世界を変えよう」をコンセプトに、さまざまな企画やプロジェクトをお届けしてきました。
そんな中、2024年3月15日(金)に開催が決まった「QWS STARTUP AWARD #2」。
「社会と事業を一歩促進するピッチアワード」と銘打ち、事業の分野や領域を問わず、社会に新しいイノベーションを生み出すスタートアップに焦点を当てます。参加するスタートアップが、自社に必要な次の一歩を踏み出すための資源や支援、賞金に留まらない幅広いチャンスを得られる機会を生み出しました。
QWSがピッチコンテストを開催する意義とは。なぜ最終審査員が全員エンジェル投資家なのか。渋谷スクランブルスクエア株式会社営業一部部長/SHIBUYA QWSエグゼクティブディレクターの野村幸雄(のむら さちお)さんにお話を伺います。

野村 幸雄
渋谷スクランブルスクエア株式会社 営業一部 部長/SHIBUYA QWS エグゼクティブディレクター/SHIBUYA QWS Innovation協議会 運営委員長
2001年に東京急行電鉄株式会社に入社し、財務部にてファイナンス業務を担当。2010年に株式会社東急百貨店へ出向し、経営統括室にて同じくファイナンス業務を担当。2014年に復職し、都市開発事業本部渋谷開発、事業部にて渋谷スクランブルスクエアのプロジェクトマネジャーとして企画・開発を担当。2018年に渋谷スクランブルスクエア株式会社へ出向。現在は「SHIBUYA QWS」で渋谷ならではのコミュニティから新たな社会価値の創出をめざしている。2022年11月に開催された「QWS STARTUP AWARD #1」から早1年。改めて、どんな背景や思いがあったのでしょうか。
QWSはただのコワーキングスペースではなく、「0→1の支援」にこだわって様々な支援プログラムの提供やイベントを行うインキュベーション施設です。
開業3年目となる2022年当時、産学官を横断して多くの会員様にお使いいただいていましたが、「QWSがスタートアップの支援をしている」という認知はあまり取れていないように感じていました。ピッチコンテストに関しても、QWS会員向けには開催(QWSステージ)してきたのですが、QWSの存在目的に立ち帰った時、年に1度はQWS会員という枠を超えて他流試合をするべきなのではないかと考えたのがきっかけです。
そうしてQWS会員以外の方々も含めて開催に至った前回のQWS STARTUP AWARD #1のテーマは「渋谷から放つ、未知の可能性を表彰するスタートアップのピッチコンテスト」。設立準備中または設立5年以内でデモ可能なプロダクトを持つスタートアップ企業が競うピッチコンテストとして、様々なフェーズのスタートアップ企業に参加いただきました。
実際に開催してみていかがでしたか。
まずは、初めての開催にもかかわらず74社もの応募があり、大変嬉しかったのを覚えています。
QWS会員ではないスタートアップの方たちや審査員など支援する側の方々にも、QWSがスタートアップを支援していることを知っていただけたと思います。

最優秀賞を獲得されたnat株式会社 劉さんからは、賞金以上に審査過程のメンタリングや審査員・関係者とのつながりが事業を推し進める上で貴重な機会になったとお声をいただきました。賞の一つである渋谷スクランブルスクエアのサイネージも、社員の皆様で足を運んで写真を撮って、改めて自分たちのサービスに誇りを持つことができたそうです。想像して私も嬉しくなりましたね。
審査員特別賞を獲得されたLINDA PESA株式会社 山口さんは、ピッチコンテストへの出場が初めてだったそうです。ピッチコンテストに出る過程で事業がブラッシュアップされた、メンタリングや審査員・関係者とのつながりがコンテスト以降も続いている、賞品のGoogle Pixel7を今でも大切に使っているなど、これまた嬉しいお声をいただいています。何より嬉しかったのは、「QWSのピッチコンテストに出たことで、1日にして会社の見られ方が変わり、事業が加速されました」というメッセージです。これまでQWSとしてやってきたことも報われた気持ちになります。
ただ、実は開催してみてより改善すべきところも見えてきました。
QWSのピッチコンテストの魅力は賞金やサイネージだけではなく、産・学・官を横断するQWS会員のネットワークを生かして事業の可能性が広げられることだと思っています。
事業にシナジーがある法人会員様や地方自治体様を繋げたり、実証実験や協業につながる機会を提供したり、もっとできることがあったのではないかと、振り返ったときに悔しさが残りました。
前回のアワード時は、法人会員は34社、9つの地方自治体、開業後累計プロジェクト数は199でした。2024年1月時点では、法人会員は62社、18の地方自治体、開業後累計プロジェクト数は293にまで拡大しています。
こういったSHIBUYA QWSを普段ご利用いただいている方々も含めて幅広くシナジーが生まれる機会を生み出すために、今年度はより一層ご期待いただけるピッチコンテストにしたいと企画や設計に励んでいます。
2回目の開催となる今回、他ピッチコンテストと比較し特徴的な要素がいくつかあると思います。期待することや狙いをお聞かせください。
一番の狙いは「社会をより良くできるアイデアを、事業性だけで判断せずに支援できる」ところだと思っています。
これまで、社会にとって大変意義深いアイデアでも、マネタイズの側面で躓いて潰れていくのを数えきれないほど見てきました。もちろん事業である以上、安定的な収益構造はあるに越したことはないですが、お金にならないけど意義深く、誰かがやるべきアイデアは多数存在しますよね。しかし、そのような事業は残念ながらVCの投資対象にはなりにくいでしょうし、資金や人などリソース不足で実装前に力尽きてしまうケースが多いです。
でも、そういうアイデアを形にするためのサポーターがいてもいいじゃないですか。私は、それが営利目的ではないQWSだからできること、QWSの使命だと思っています。

このような「社会を良くするアイデアを潰したくない」という思いを主軸に0→1の支援にこだわってきたQWSだからこそ、シード・プレシード期のスタートアップが対象、かつプロダクトがまだなくても応募できるようにしています。そして、まさにそのステージの事業を支援できるのがエンジェル投資家なので、思い切って最終審査員を全員エンジェル投資家にしました。
一次・二次審査にはVCにも入っていただくのですが、評価項目の中で「収益性」だけを重視しているわけではないのも特徴です。また、QWSの法人・自治体会員にも二次審査に参加してもらい、より多くの視点から事業の可能性を見出す機会として活用して欲しいと思っています。
審査だけでもこだわりが詰まっているんですね。
エントリーからピッチが終わった後まで、0から1が生み出される機会づくりに注力しています。賞においても、QWS最優秀賞以外にも事業を促進させる賞を数多く提供することに尽力しているんです。
仮に最終ピッチに残らなくても、普段なかなか接点が持てないVCやエンジェル投資家、法人・自治体などにアイデアを見てもらうことで、事業が一歩も二歩も進む。応募すること自体にも意味がある。そんな接点の多いアワードにしたいと思っています。
なるほど!QWSだからこそ、生み出せる機会と社会へのインパクトを重視しているということですね。そんな中で、どんなスタートアップに応募して欲しいですか。
まずは、領域を限定していないのでどんな領域の方も応募資格があります。
そして、マネタイズのスケールや急加速的な成長可能性を評価するアワードではないので、事業のモデルがJカーブを想定していなくても構いません。
また、プロダクトの有無は問いません。実証実験フェーズの方でも、むしろ実験の場の提供ができると思います。
「社会を一歩促進する」「社会に新しいイノベーションを生み出す」「社会を変える」可能性のあるアイデアであれば、環境でも教育でもカルチャーでもアートでも何でも、どんな領域でも臆せず応募して欲しいです。
最後に、これから応募されるスタートアップにメッセージをお願いします。
まだ形になっていなくても構いません。何よりも重要なのは「社会をより良くしたい!」という思いです。その思いから生まれた「きっとこうすれば実現できるのではないか」というアイデアを自分の手で切り開いていく挑戦者の方に、徹底的に寄り添えるアワードにしたいと思っています。

開業5年目を迎えるQWSの持つ様々なリソースを使ってどんなご支援ができるか、その可能性に私も今からワクワクしています。
たくさんの方のご応募を、楽しみに待っています。
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