
2024-07-29
インタビュー
起業家の苦悩も技術もわかるVCとして、テクノロジーを通じてワクワクする未来へ
One Capital 中島賢太さん
Startup Next編集部がお届けする、今をときめく!投資家インタビュー。志を持って活動される投資家のみなさんのバックグラウンドや考え方に、一歩踏み込んでご紹介しています。今回はOne Capitalの中島賢太さんにお話を聞きました。
中島 賢太
大学在学中に東南アジア向けのアパレル系ECスタートアップを立ち上げる。2016年より株式会社パスチャーにてプロダクト開発に従事。執行役員としてエンジニア組織全体およびSaaS事業を統括する。2021年6月にOne Capitalに参画。入社後は事業計画作成SaaS「projection-ai」、産業データベース「projection-ai:db」、採用SaaS「スタリク」、新規事業推進SaaS「SyncDX」を開発。また、出資検討時の技術DDを担当。投資条件や投資実績がわかる!中島賢太さんの投資家プロフィールはこちら👇(顔写真をクリックするとプロフィールを閲覧できます。)
まずは、中島さんについて教えてください!
One Capitalの中島です。
大学在学中にフィリピンのセブ島に語学留学をしたことがきっかけで、現地に魅力を感じ、東南アジア向けのECスタートアップの立ち上げに関わりました。VCとエンジェル投資家から出資を受けていたため、この時に投資家という世界があることを知って興味を抱きました。
日本に帰国してからは、SNSマーケティングの会社の立ち上げに関わらせていただき、主にSaaS事業を展開しました。家族もできて、人生の時間をより意識するようになり、一度は投資家の世界も見てみたいと思うようになりました。
採用募集が頻発しないVCという業態で、エンジニアとして入るにはとても難しいと思っていましたが、たまたまTwitterでエンジニアを募集していて、これはぜひ話を聞いてみたいと思いDMしました。
中島さんが投資家になったきっかけは何ですか?
マニラでのECスタートアップは断念して、帰国という形になったわけですが、この時は精神的にも金銭的にも心底辛かったです。結果的には同じチームでもう一度会社の立ち上げを行うことができましたが、同時に、投資家として複数の起業家を支援したいという気持ちも強く生まれました。
特に、ハンズオンで支援できるような投資家になりたいと思っていました。経験が浅い自分にとってVCからのアドバイスは貴重で有用だったため、金銭的な支援よりもハンズオン支援の方が価値があると思っていました。
ただ、そういった価値を出すためには、自分自身が実績を残す必要があります。起業家からアドバイスを求められる経験をしなくてはなりませんから、投資家とは簡単になれるものではないという認識でした。
そんな中、One CapitalがTwitterでエンジニア募集をしている旨をポストしていました。SaaSプロダクトを通して起業家を支援するという形であれば、自分のエンジニアリングを活かせると思い、投資家になることを決意しました。

(写真:投資先のMIRROR FIT.を楽しむ中島さん)
現在はどんなところに投資していて、投資先とはどんな関係ですか?
弊社はSaaS領域を中心に投資しています。その中でも私は、技術力に自信のある企業や高度な技術が差別化要因となるプロダクトを見ることが多いです。あとは、開発者向けのツールやプロダクトを展開されている企業の方です。
「これまでVCの人にテクノロジーが理解されず大変だった」と言われる時がとても嬉しいです。前提のテクノロジーの背景共有もカットできると思います。
フェーズはシードとアーリーが多く、リードで出資させていただくケースが多いです。
ちなみに、よく「コードを見て意見するのか」「アーキテクチャにどこまで口を出すのか」という点について勘違いされることがありますが、この点に関して踏み込むことはありません。
CTOが不在で一人目の社内エンジニアの採用に困っている企業や、業務委託比率の高い企業に採用目線で支援させていただくことが多いです。優秀なCTOがいれば、自ずとエンジニア組織やアーキテクチャは洗練されていくと考えているためです。あとは、自分が起業家であればコードレベルまで口を出されるのはちょっと嫌です(笑)
経営と同期した課題を認識しているCTOとチームの存在が重要だと思うので、そこをサポートしています。
魅力を感じる起業家はどのような人ですか?
愛嬌を持っている起業家の力にはいつも驚かされます。
経営陣の愛嬌は、採用やチームビルディングの面でも、対お客さんの場面でもかなり有効に働きます。細かいテクニックや施策を簡単に凌駕していくと思います。そういう組織ほど、リファラルが得意で自然と複利的に仲間もお客さんも増えていると感じます。
また、常にお客さんに目が向いている起業家も非常に魅力的です。ピッチや壁打ちといった、起業家とVCの関係が如実に出る場ではない、雑談の場などでその方がどんな話をするかいつも楽しみにしています。
プロダクトの内容だったり、自社のチームだったり、市場だったり、色々な話題がありますが、ずっとお客さんの話を楽しそうにしている起業家がいます。この人は本当に今向き合っているお客さんが好きなんだなと思うと、聞いているこちらも幸せになりますし、こうやって人を巻き込んで成長しているんだろうなと感じます。
今後の展望とスタートアップ起業家へのメッセージをお願いします!
テクノロジーを通じたVC活動をより積極的に行っていきたいです。投資先の支援も、新規の起業家の方との出会いもテクノロジーでより良くできると思います。
例えば、資金調達シーンで未来を考えてみます。数時間以内に資金調達が完了する未来、最適なVCとのマッチングがレコメンドされる未来、資本政策が自動化される未来、などでしょうか。世界では既に始まっている取り組みですが、考えているだけでとてもワクワクします。
このようなテクノロジーを活用したVCは、海外に多く存在します。NFXやSignalFireは、自社でプロダクトやテクノロジーを保有しています。日本で同様のことをしているVCは稀有です。
私が事故に遭っても風邪で倒れても、サーバーさえ動き続けていれば起業家を支援し続けられる。ここをまずは目指していきたいです。
起業家へのメッセージですが、自分は東南アジアで事業をクローズして、日本にピボットした後も大きく伸ばせたプロダクトは無いままにVCになりました。だからこそ、成長している企業がいかに凄いかよく知っています。そして、思うようにいかない時の気持ちは、心底理解しているつもりです。
作ってきた事業を信じて、お客さんと向き合い続けてください。私たちもとことんスタートアップと向き合い続けたいと思います。
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