「大学の研究には、命を救える技術がたくさん眠っている。そんな研究成果の実用化に情熱を燃やし続けたい」Beyond Next Ventures 橋爪克弥さん

2024-07-25

  • インタビュー

大学の研究には、命を救える技術がたくさん眠っている。そんな研究成果の実用化に情熱を燃やし続けたい

Beyond Next Ventures 橋爪克弥さん

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Startup Next編集部がお届けする、今をときめく!投資家インタビュー。志を持って活動される投資家のみなさんのバックグラウンドや考え方に、一歩踏み込んでご紹介しています。今回はBeyond Next Venturesの橋爪克弥さんにお話を聞きました。

橋爪克弥
2010年ジャフコ(現ジャフコ グループ)入社。産学連携投資グループリーダー、JST START代表事業プロモーターを歴任し、約10年間一貫して大学発ベンチャーへの出資に従事。2020年に当社に参画し、医療機器・デジタルヘルス領域のスタートアップへの出資を手掛ける。2021年8月に執行役員に就任。投資部門のリーダーを務めるとともに、出資先企業のコミュニティ運営を統括。主な投資実績はマイクロ波化学(IPO)、Biomedical Solutions(M&A)、Bolt Medical(M&A)等。サーフィンが趣味、湘南在住。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了

投資条件や投資実績がわかる!橋爪克弥さんの投資家プロフィールはこちら👇(顔写真をクリックするとプロフィールを閲覧できます。)

まずは、橋爪さんについて教えてください!

Beyond Next Venturesパートナーの橋爪です。

私は大学および大学院でコンピュータサイエンスの研究に5年間携わっていましたが、大学での研究成果がなかなか実用化されないことに非常に課題感を持っておりました。そんな時、兄から「研究成果の実用化がしたいならベンチャーキャピタリストという仕事も選択肢になる」と教わり、研究とビジネスをつなぐ仕事に関わることを期待し、新卒でジャフコに入社しました。

ジャフコ(現ジャフコグループ)で10年間大学発ベンチャーへの投資・成長支援を経験し、2020年に医療機器やデジタルヘルス領域のキャピタリストとして、ディープテック領域に特化したBeyond Next Venturesに入社しました。主な投資実績としては、マイクロ波化学(IPO)やBiomedical Solutions(M&A)、Bolt Medical(M&A)などがあります。

ジャフコに在籍時、自ら見つけてシードステージで出資した会社の医療機器が「男性の命を救った」というニュースを社長から聞きました。その男性は脳の病気で、これまでの治療法では助からなかったと言います。けれど出資先の研究成果が製品となり、働き盛りの彼の命を救いました。それを聞いて、研究成果が製品となり、会ったこともない誰かの命を救い、またその家族の人生にも貢献できたことに、ものすごくやりがいを感じました。

大学の研究には、大切な命を救える技術がたくさん眠っています。私はそのような技術を生み出す研究者や医師の方と共に、社会への実用化に取り組んでいます。

橋爪さんが投資家になったきっかけは何ですか?

上述の内容と少し重複しますが、研究成果の社会実装に取り組みたかったからです。

学部の2年生からコンピューターサイエンスを学び、国内外の学会や展示会で発表を行い、研究成果を社会に伝えてきました。新しいテクノロジーやサイエンスに対する情熱から、日本で発売されたiPhoneを徹夜で並んで購入したり、最先端の研究に関する話を聞いたりするのが好きでした。中でも、大学の先輩であるSpiber創業メンバーが発表した「DNAにデジタルデータを書き込む技術」にものすごく興奮したことを今でも覚えています。

一方で、「画期的な研究成果」が製品やサービスに直結するわけではなく「研究がビジネスに結び付かない」という課題に直面しました。この課題を解決する仕事に携わりたいと考えていた時、就職先を相談した兄から「ベンチャーキャピタル(VC)」という仕事について教えてもらいました。

調べてみると、VCでは研究成果の社会実装に取り組むスタートアップに投資し、その成長を支援していました。「ここなら研究とビジネスをつなぐ仕事に関われる」と確信し、新卒採用を行っているVCを探し、ジャフコ(現ジャフコ グループ)に入社しました。

現在はどんなところに投資していて、投資先とはどんな関係ですか? 

私の担当領域としては、医療機器やデジタルヘルスをはじめとした医療ヘルスケア分野に特化しています。特にシード期に注力しており、創業前から医師や研究者、そして技術を探している経営者候補と共に起業準備を進めています。

初回投資では数億円規模が多く、その後もミドル・レイター期まで継続的にフォローオン投資を行っています。2023年に設立した3号ファンドでは、1社あたり最大累積20億円程度まで投資が可能となり、より長期にわたってファイナンスを支える設計となっています。

投資先とは密に関わることが多く、私のモットーは「研究者や起業家のCo-Founderになるくらいの覚悟で向き合う」です。そのため、起業家や経営者の皆さんに寄り添いながら、必要な支援を伴走型で提供しています。Beyond Next Venturesの特長は、創業期からレイター期まで幅広く、かつ専門的な支援を行える体制が整っていることです。

例えば、創業期には強固な経営チームをつくるために候補者を発掘し、共に伴走するケースもありますし、レイター期には海外展開やIPOに向けた支援も行います。さらに、私たちはディープテックという高度な専門性を持つ領域で活動しているため、法務や税務に長けた専門家20名以上と密に連携しながら、事業成長をサポートしています。

魅力を感じる起業家はどのような人ですか?

「未来から〇〇という病気を根絶させる」や「〇〇の病気で亡くなる人をゼロにする」といった医療・福祉分野における大きな社会課題を解決する壮大なビジョンを描く起業家に、私は強く惹かれます。

そのような経営者や研究者のピッチを聞くと、まるで未来を描いた映画を観ているかのような錯覚を覚え、「この方たちと一緒にその描く未来を実現したい」と感じます。

これらの起業家に共通しているのは、レーダーチャートで見た時に「バランスが取れた完璧な人物」というよりは、むしろ逆に「どこか頭のネジが外れたような人」だと思っています(笑)

原体験に基づいてそのビジョンを実現したいという強い意志を持ち、事業に対して異常なまでの情熱を注ぎ、「仕事をしている」というより「楽しんでいる」と感じさせるような魅力を持った人々です。

私自身も、誰かの命を救う研究や技術の事業化に対して情熱を燃やしています。そのため、単なるお金儲けではなく、そこに大きな課題意識や使命感を持っている人と一緒に何かを成し遂げたいと考えています。

今後の展望とスタートアップ起業家へのメッセージをお願いします!

私たちが取り組んでいるのは、日本発でグローバルに成功するディープテックスタートアップの創出です。サイエンスやテクノロジーの分野では、英語での論文発表や国際学会が主流であり「日本語」の言語障壁は存在しません。これは、インターネットサービスと異なり、日本発のテクノロジーがグローバル市場で競争力を持つ大きな要因となっています。

例えば、医療機器分野では日本は約2兆円の輸入超過があり、その赤字は年々拡大しています。特に治療機器は開発リスクが高いため、スタートアップが主な担い手となっています。私たちは、日本発の治療機器をアメリカやインドを含む東南アジア諸国に広げ、優れた技術を世界に届ける企業を目指しています。

さらに、海外の投資家と話を進める中で、医療分野だけでなく半導体やロボット、エネルギーといった領域でも大きな可能性があることを再認識しました。現在関与している出資先の多くが海外展開に挑戦し、その手ごたえを感じています。

私たちは、日本の科学技術を再興し、起業家、研究者、スタートアップ関係者と共に、海外でも本格的に活躍するスタートアップを作り上げたいと考えています。この挑戦を通じて、日本発のディープテックスタートアップが世界市場で輝く未来を共に創りましょう!

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