「呉服店からリクルート、ベンチャーを経てキャピタリストに。人を見る目を活かして地方の課題解決へ」MTG Ventures、Central Japan Seed Fund山本有里さん

2025-05-02

  • インタビュー

呉服店からリクルート、ベンチャーを経てキャピタリストに。人を見る目を活かして地方の課題解決へ

MTG Ventures、Central Japan Seed Fund山本有里さん

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Startup Next編集部がお届けする、今をときめく!投資家インタビュー。志を持って活動される投資家のみなさんのバックグラウンドや考え方に、一歩踏み込んでご紹介しています。今回はMTG VenturesCentral Japan Seed Fundの山本有里さんにお話を聞きました。

山本有里
愛知県出身。金城学院大学現代文化学部卒。リクルートキャリアで中途採用支援経験後、人材系ベンチャーで東海支社の立ち上げを経験。2017年から名古屋のスタートアップ・ベンチャーを盛り上げるための交流会・イベントを個人活動として主催。2021年4月に独立し、愛知県のスタートアップ支援拠点「PRE-STATION Ai」で活動。同時にMTG Venturesのコミュニティマネージャーも兼務し、スタートアップ企業・オープンイノベーションを支援/促進するためのイベント企画・開催、マッチング支援、コミュニティ運営に従事。2023年からはMTG Ventures及びCentral Japan Seed Fundで、スタートアップ企業への投資業務もスタート。

投資条件や投資実績がわかる!山本有里さんの投資家プロフィールはこちら👇(クリックすると詳細なプロフィールを閲覧できます。)

まずは、山本さんについて教えてください!

MTG Ventures、Central Japan Seed Fundの山本です。

大学では国際社会学科で国際情勢や差別問題、環境問題について学び、海外旅行や短期留学にも行きました。その中で日本文化に関心を持つようになり、ちょうど就活を始めようという時期に求人サイトでたまたま見つけた呉服店の求人にとても惹かれ、就職することにしました。

業務内容としては着物の販売がメインでした。海外経験を通して「日本の文化をなくしてはいけない」という強い思いがあったので、大変そうに見られる勉強も苦ではなかったですね。

ただ、家から離れられない事情があったのですが、その必要がなくなったタイミングで家庭から離れてチャレンジしたい気持ちが大きくなっていきました。

また、当時は呉服業界が衰退していくのを肌で感じていたものの、その衰退を挽回する術がわからず歯痒い思いを抱えていました。どの業界が伸びていて、どの業界が衰退しているのか、日本経済について学びたくなり、リクルートに転職することにしたんです。

リクルートでは法人向けのリクルーターを任せてもらったのですが、名刺交換の仕方から覚えるような右も左もわからない状態だったので、とにかくがむしゃらでしたね。

当時リクルートは上場直後で、先輩たちから上場体験の話を聞く機会があったのですが、それがとても刺激的でした。20代のうちに「次のリクルート」のような上場を目指している会社で経験を積みたいと思うようになり、サーキュレーションに転職しました。

山本さんが投資家になったきっかけは何ですか?

キャピタリストになったきっかけは、現職MTG Venturesの代表の藤田さんとの出会いです。私が名古屋で「ベンチャー飲み会」というコミュニティを運営していた時に藤田さんが来てくださいました。後日、お茶をした際に「有里ちゃん、キャピタリストにならない?」と言われました。最初は「私が?」と思いましたね。呉服販売と人材系の営業しか経験がなく、金融系は全く携わったことがなかったので。

正直、マネーゲームみたいなものにはあまり興味がなかったし数字も苦手で「投資とか向いていないと思います」と断ったんですが、「数字や投資の計算方法は覚えればできる。一番投資家に大事なのは『人を見る目』だから。有里ちゃんには人を見る目があると思う」と。

確かに私は人を繋ぐこと、具体的には「この人とこの人合うんじゃないか」とか「この人はこういう素質があるんじゃないか」とか考えるのが公私関係なく好きでした。それが投資の世界で活かせるのかもしれないと思い始めました。

ただ、すぐにキャピタリストになれるとは思っていなかったので、まずは起業を経験した方がいいかなと考えました。そうして起業を検討していた時に、藤田さんからMTG Venturesでコミュニティマネージャーとして空いている時間で働かないかと誘われました。そこから少しずつVCに関わるようになり、最終的にキャピタリストへの道を歩み始めました。

とはいえ、やはりキャピタリストになることには葛藤がありました。何千万、何億という大きなお金を1社に投資する責任の重さを感じていたからです。でも、藤田さんや同じ代表パートナーの伊藤さんのように起業家に寄り添い、サポートするキャピタリストの姿を見て、「社会課題解決を意識した投資をするVCがもっと増えるべきだ」と思うようになりました。そういうキャピタリストになれるチャンスがあるのに蹴ってしまうのはもったいないと思い、覚悟を決めました。

現在はどんなところに投資していて、投資先とはどんな関係ですか? 

MTG Venturesのファンドでは、VITAL LIFEをテーマにヘルスケア、ビューティー、ウェルネス分野への投資を行っています。ただこちらは2028年にファンド満期を迎えるので、今は回収フェーズです。同時に同じメンバーで地方創生と地域課題解決に特化したCentral Japan Seed Fundというファンドを立ち上げ、シードからシリーズAぐらいまでの投資を行っています。

投資先へのサポートは様々な形で行っています。まず、ビジネスマッチングや人材紹介は毎日何かしら動いています。例えば、営業先の紹介や競合他社の紹介、資金調達関連の紹介(VCや銀行の担当者など)、採用関連の紹介などです。

採用については、ある投資先を退職する人を別の投資先に紹介したり、業務委託で働ける人を紹介したりしています。私は元々人材系の仕事をしていたのでエージェントの友人も多く、そういったネットワークも活かせていますね。

また、勉強会も定期的に開催しています。HR勉強会では投資先のHR担当者を集めて座談会形式で情報共有をしたり、IPO勉強会では証券会社の方に来てもらって市場の見方などを教えてもらったり。これらは3ヶ月に1回程度の頻度で実施しています。

(写真:HR勉強会の開催後の集合写真)

魅力を感じる事業や起業家はどのような人ですか?

一言で言うと「オーラを感じる人」でしょうか。

言語化が難しいのですが、人を見る時はその人のオーラや雰囲気を感じとるようにしています。スピリチュアルな意味ではなく、話している時の眼差しや内容が確からしいかどうか、嘘をついていないかなどを複合的に見ています。もっと言うと、ピッチの内容だけでなく、なぜそのビジネスをやっているのか、その理由や本気度、幼少期の話や趣味の話なども聞いていくんです。そうすることで、今やっていることと歩んできた人生との繋がりが見えてきます。

言っていることとやっていることや実際の態度や雰囲気が調和しているか、一貫性があるかが大事なんだと思います。

こういった「人を見る目」は、リクルートやサーキュレーションでの経験で鍛えられたと思います。人材系の仕事をしていたので、求職者と企業をマッチングする中で人をよく観察する習慣がつきました。「なぜこの会社には良い人が集まるのか」「なぜこの人は転職するのか」といった背景や雰囲気を日々観察していたので。

(写真:投資先と一緒にイベントに参加してマッチングサポートを)

今後の展望とスタートアップ起業家へのメッセージをお願いします!

キャピタリストとしてはまだ3年ほどですが、より多くの志ある起業家に会って投資していきたいです。VCという仕事は「未来を創る仲間作り」だと思っているので、全国のいろんな地域に行って、良い未来を作りたいと思っている人たちと出会い、日本の未来を良くする活動に携わっていきたいです。

VCとしての成長だけでなく、VCの垣根を越えた活動にもチャレンジしていきたいと考えています。特に地方に足を向けて、地方の人たちと一緒に日本を元気にする活動をしていきたいです。

個人的には、「スナックゆり」というイベントを不定期で開催しているのですが、こういった異業種交流の場をもっと作りたいと思っています。お酒を片手にフラットにいろんな人が繋がれる場づくりが好きなので、みんなが集える場を作っていきたいですね。(2025年7月のIVSでも全国各地のユニークなキーパーソンと一緒にサイドイベントを企画中です!)

メッセージですが、投資するしないに関わらず力になれることはたくさんあると思っています。人を繋げたり相談に乗ったりすることもできますし、資金調達の相談はもちろん「地方展開したい」といった相談にも乗れると思うので、ぜひお気軽にご連絡ください!

(写真:スタートアップスナック開催の様子)

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