「PR・マーケティング・セールスのバリューアップに特化したVC as a serviceを作る」Babu Fund 田島司京さん

2025-08-18

  • インタビュー

PR・マーケティング・セールスのバリューアップに特化したVC as a serviceを作る

Babu Fund 田島司京さん

Share

Startup Next編集部がお届けする、今をときめく!投資家インタビュー。志を持って活動される投資家のみなさんのバックグラウンドや考え方に、一歩踏み込んでご紹介しています。今回はBabu Fund の田島司京さんにお話を聞きました。

田島司京
新卒で(株)ベクトル入社し、新規営業に従事し、スタートアップを中心にアポ獲得からプランニングまで行い、新人賞やMVPを獲得。その後投資事業を兼務し、投資業務とバリューアップ業務に携わる。ベクトル退職後はCVCへ転職するが、VCの現状をまざまざと知り独立を決意。千葉県柏市出身湘南在住。趣味はサッカーと筋トレと妻とのデート。

投資条件や投資実績がわかる!田島司京さんの投資家プロフィールはこちら👇(クリックするとプロフィールを閲覧できます。)

まずは、田島さんについて教えてください!

Babu Fundの田島と申します。今31歳で、千葉の柏出身です。同志社大学経済学部を卒業し、新卒でベクトルというPR会社に入社しました。

入社1年目から、リストを作ってテレアポし、アポを取って営業。ニーズがあれば提案書を作成してプレゼン、受注できたらチームを組んでPRソリューションを提供するという一連の流れを担当していました。

当時、ベクトルには子会社が20社ほどあり、タクシーサイネージやデジタル広告など、情報発信に関わるソリューションを統合的に提案する会社で、大手からスタートアップまで幅広いクライアントを持っていましたが、学生時代から漠然と起業したいという思いがあった私は、スタートアップのクライアントが多く、課題がPRやマーケティングに収まることはほとんどなかったため、ベクトルの提供サービスに留まらず幅広く支援をしておりました。

投資家になったきっかけは?

ベクトルは昔からスタートアップへの投資を行っており、累計で230社ほどに投資していたのですが、私が入社3年目のとき、投資事業部を立ち上げることになりました。初めは何も分からず、カタカナや横文字の多い投資の世界で手探りでした。とにかくスタートアップとアポイントを取り、調べながら進める日々でした。

1年後、ふと責任者に任命され、その直後に妻に電話して「責任者になったよ」と報告したことを覚えています。

3年ほど続け、12社に投資しました。30歳になり、結婚して家を建てるなどプライベートが進んできたタイミングで、キャリアについても考え直しました。PRと投資の二足のわらじを履いていましたが、このままだとどちらも中途半端になってしまうと感じ、投資の道に進みたいと会社に伝え、ベンチャーキャピタルに転職しました。

そこで業界の課題感とスタートアップのPR・マーケティング・セールス支援のニーズを強く感じるようになり、2024年の11月に独立しました。

Babu Fundの特徴と、どのような企業に投資しているかを教えてください!

Babu Fundは、主にプレシリーズAのスタートアップに投資し、PR・マーケティング・セールスのハンズオン支援を行う投資ファンドです。

既存ファンドのようにアドバイスを行うだけでなく、現場のエグゼキューションまで行う点がポイントです。初期ステージのスタートアップはヒト・お金がとにかく不足しているので、アドバイスを行っても実装に移すまで時間だけでなくナレッジもないことが多いため、株式をもらっている僕らが現場の実務まで行い投資先と共に売りを作っていきます。

この「事業を伸ばせるファンド」を「VC as a service型」と考え、Babu Fundは特にPR・マーケティング・セールス支援に特化していきます。

バリュエーション5億〜10億円程度の企業をターゲットにしていますが、良い企業であればステージにこだわらずに投資を検討します。約10社への投資を目指しており、チケットサイズはリードで5,000万、フォローで3,000万を考えています。

PR・マーケティング・セールスのハンズオン支援を行うのはなぜですか?

スタートアップが資金調達をする目的は、主に採用・システム開発・マーケティングの3つに分かれます。採用であれば「年収いくらでどのポジションを何人採用します」という形で計画が立てやすく、システム開発も「この期間でいくらかけて何を作る」というのは明確です。

しかし、マーケティングに関しては「デジタルを強化します」という曖昧な表現で終わってしまうことが多い。PR・マーケティング・セールスのプロとしてやってきた私からすると、この表現がいかに緩いかを実感しています。

戦略があってその下に施策があるべきなのに、施策の話ばかりしてくる。日本はマーケティング弱者と言われますが、スタートアップの世界でも同様の課題があります。サービスをどう届けるか、どう表現するかは非常に重要なのに、その戦略を描ける人が少ない。特にシードやアーリーステージでは競合が少なく、事業がユニークな段階なのに、情報発信の戦略が決まっていないケースが多いのです。

一方、投資家側も金融やコンサル出身者が多く、PRやマーケティングの経験が乏しい。アメリカと違って日本のスタートアップ市場は小さく、PRやマーケティングの戦略を作れる人がスタートアップ投資業界になかなか参入してきていないという課題があります。

また、スタートアップが直面する具体的な課題として、サービスを市場にデリバリーする方法の不足、資金不足によるアウトソーシングの難しさ、予算策定の合理性の欠如といった問題があります。

セールス支援でシンプルにアポを獲得する、PRでメディア露出を獲得する。

ほとんどのスタートアップで実は最も重要だが、できない。この部分も僕らも汗をかいて支援していくことに意味があると考えております。

よって、我々がPR・マーケティング・セールスのハンズオン支援を行おうと考えているわけです。

投資先とはどのように関わっていきますか?

僕らはの関わりは投資をする前から始まります。

少し話が逸れますが、投資を決めるためのDDは結局「目利き」による部分が多く、その確実性を上げることは非常に難易度が高いです。

そのため僕らだけの目利きだけで投資を決定するのではなく、初期DDを行ったスタートアップに対して期間限定ではありますが、PR・マーケティング・セールスの支援を無償で行います。

もし仮に投資をした場合は長い付き合いとなるため、ファウンダーと共に仕事を行い、性格や働き方などを見るだけでなく、顧客の声やメディアの声を生で聞き、彼らのフィードバックを参考にして投資判断に活かします。

マーケットインの考え方でDDを行うことで、投資確度を少しでも上げるための工夫です。

投資後は投資先の状況によりますが、アポ獲得のための架電やメール営業、メディア露出獲得のためのPR戦略策定、予算配分、メディアリスト作成、それに伴う資料作成、メディアアプローチ、プレスリリース作成などエグゼキューションまで行います。

AIの誕生により、少ないリソースで最大限のパフォーマンスを多くのスタートアップに提供できるようになったこともVC as a serviceを実現する上では外せない要因です。

アメリカの大手VCであるa16zは600〜700人の社員がいますが、キャピタリストは100人いるかいないかです。500人以上がバリューアップ担当で、PRなども内製化しています。世界トップティアのVCがそのような環境を作っていることは、規模感に大きな差異はありますが強く刺激になります。

さらに特徴的なのは、投資責任者だけでなくバリューアップにコミットした社員にもキャピタルゲインの一部を分配する仕組みを作っていること。これにより優秀な人材が確保でき、長期的な支援体制を構築しています。

このような取り組みすべてを通じて、投資先のExit時の時価総額を底上げすることを目指しています。

魅力を感じる起業家は?

「自分で売れる」能力を持っている起業家は非常に魅力的に感じます。

初期ステージに投資を行うため、マイナーチェンジを行うことも多いでしょうし、大きくピボットすることも多いと思います。

その中で少なくとも社員も含めて「食べていける」状態に身一つで持っていける自力を持っているということこそ「自分で売れる」能力を持っていることだと理解しています。

その場合投資目線でいうと、「損はしない」状態になる確率が高くなるため、パフォーマンス向上の大きな要因となります。

今後の展望をお聞かせください!

私たちが目指すのは、日本を代表する「事業を伸ばせるファンド」です。単に資金を提供するだけでなく、投資先と共に汗をかき、実際の数字を作り上げていく。PR・マーケティング・セールスに強みを持つファンドとして、スタートアップの成長に必要な施策を提供したいと考えています。

将来的にはPR・マーケティング、セールス、HRなどの専門分野に特化したバリューアップチームを構築し、また自社サービスも開発し、豊富なバリューアップチームを構成する人件費の源泉をファンドの管理報酬+自社の売上+サービス提供による売上の軸で担保したいです。

最後に、起業家へのメッセージをお願いします!

社会課題の解決に対して諦めないでほしいと思います。そしてVCに期待して欲しいと願っています。

様々な起業家とお話して、「VC」や「資金調達」に対してネガティブな感情を持たれた経験のある方に数多くお会いしました。このVC as a service型、特にPR・マーケティング・セールス支援特化のファンドはそれらの声で生まれた構想です。

情熱を持った起業家の方からのご連絡をお待ちしています。

Startup Nextを運営するスマートラウンドでは、スタートアップが無料で使えるデータ共有プラットフォーム「smartround」を提供しています。株主総会や資本政策など、少しでも業務を効率化したい方は無料登録の上、ご利用ください。

またその他にも、スタートアップ向けのお役立ち資料・テンプレートをご用意しています。ダウンロードはこちらから

Share