
2024-08-05
インタビュー
辿り着いた”投資家”という原点。課題の本質的解決にチャレンジする起業家を応援したい
デライト・ベンチャーズ 永原健太郎さん
Startup Next編集部がお届けする、今をときめく!投資家インタビュー。志を持って活動される投資家のみなさんのバックグラウンドや考え方に、一歩踏み込んでご紹介しています。今回はデライト・ベンチャーズの永原健太郎さんにお話を聞きました。
永原健太郎
2007年中央大学専門職大学院(ファイナンス専攻)修了後、サイバーエージェントに入社し投資部門に配属。その他、SEO部門において営業及びコンサル、メディア事業(Ameba)のマーケ部署にてメディア分析や戦略設計、マネジメントに従事。2017年に、日本政策投資銀行の投資会社DBJキャピタルにてベンチャー投資を再開。toCからtoBまで幅広く投資活動を行う。 2019年デライト・ベンチャーズの立ち上げから参画、2023年パートナー就任。※役職や肩書きは記事公開時点のものです。
投資条件や投資実績がわかる!永原 健太郎さんの投資家プロフィールはこちら👇(顔写真をクリックするとプロフィールを閲覧できます。)
まずは、永原さんについて教えてください!
デライト・ベンチャーズでパートナーをしております、永原です。
大学時代、米国でVCの仕事をしている方の新聞記事を読んだことがきっかけで、ベンチャーキャピタルという仕事を知り興味を持ちました。
大学卒業後、学生の8割が社会人の専門職大学院に通っており、夕方以降に授業を受ける生活を送っていました。当時はインターンなどあまりない時代でしたが、せっかくなら日中の時間を使ってVCで働いてみたいと思い検索する中で、CAキャピタル(現サイバーエージェント・キャピタル)に行き着き、問い合わせフォームから連絡をしました。
その時面接をしてくださったのが、今はSTRIVEというVCの代表パートナーをしている堤達生さんでした。堤さんから「大学院での勉強は今しかできないからしっかり学んだ方がいいよ」と言われたことで、その後はよそ見せず勉学に励みました。
ただ、堤さんとお話しさせていただいたことで「こういう方と一緒に働きたい」という思いが強くなり、当時は募集要項にありませんでしたが、「サイバーエージェントの投資部門で働きたい」と新卒採用時に伝え続け、ありがたいことに内定を頂きました。
無事希望の部署に配属はされたものの投資部門の在籍は2年ほどで、その後は代理店やメディアなど色々部署を渡り歩き、計10年間サイバーエージェントに在籍しました。
キャリアを築く中で「中途半端に終わっていたベンチャー投資をもう一度しっかりやりたい」という思いが強くなり、2017年にDBJキャピタルに転職し、投資家としての活動を再開しました。
その後、知り合いからの紹介でDeNAの南場智子さんと出会い、デライト・ベンチャーズの立ち上げから参画して今に至ります。
永原さんが投資家になったきっかけは何ですか?
先ほど話したように、ベンチャーキャピタルという職業を知ったのは学生時代でしたが、インターネットの盛り上がりもあって漠然と「起業」というキーワードも頭の中にはありました。
ただ、当時は色々なサービスが出てきて盛り上がりがあると同時に、移り変わりも激しい中で起業家として自分でやるのか、それとも世の中を変えていける可能性のあるサービスを生み出す起業家を支援するのか、どちらが自分がやりたいことに近いか、成し得たいかを考えたとき、投資家という考えに至ったのを覚えています。
新卒でVCに入ったものの、その後良くも悪くも他の事業部を経験したことで、改めて自分がやりたいのは投資家だなと気付きました。回り道したように思うこともありますが、今では「原点に戻れた」と思っています。
現在はどんなところに投資していて、投資先とはどんな関係ですか?
好きな領域は広義のDXが起こせる分野です。時代の変化や人口減少等により、既存のビジネスモデルでは立ち行かない領域は多くなってくると思いますが、来るべき未来を構築し、今後起こりえる課題を解決するサービスに非常に興味があります。
また「何故その起業家がやるのか」というファウンダー・マーケット・フィットも非常に大切にしています。10年、20年、熱量高くその分野に向き合いやり遂げられるのか、領域に詳しいからこそ見出せる課題や築ける解決方法、またチームを率いる魅力などがあると思うからです。
投資先には、再生可能エネルギー発電事業向けのクラウドプラットフォームを運営するTensor Energyや、コーヒー農家と自家焙煎事業者(ロースター)の直接取引を可能にするオンラインプラットフォームを運営するTYPICA Holdings、国際物流を手掛けるデジタルフォワーダーのShippio、工事会社向け経営管理システムを提供するクラフトバンク、企業デジタル化支援を手がけるROUTE06などがあります。
あとは自分の裏テーマとして、C向けプロダクトへの投資はやり続けたいと思っています。デライト・ベンチャーズのポートフォリオを見るとB向けが多く感じると思いますが、個人的にはユーザーが熱狂する新たなサービスを探し続けています。
最近の投資事例としては、Woodstockという手軽に米国株が買えるSNSアプリを運営している会社や、カウシェという「誰かと一緒に」を楽しむ、お買い物アプリを運営している会社に投資しています。
投資フェーズとしてはシードからシリーズAまでを対象としており、初回投資は1,000万円から最大5億円まで可能です。基本的にはリード投資をメインにしていますが、フェーズが早い場合はフォロー投資で入らせていただき、次回ラウンドでリード投資を検討をするなど比較的柔軟に対応が可能です。
投資先との関わり方に関しては、決まった型はありませんが基本的には月一回の定例会でコミュニケーションをとりつつ、必要に応じて個別にMTGをしたりと緩急つけて対応させていただいています。シードでは週一で個別MTGを行い、開発フェーズではNotion共有で必要な時に連絡をもらうこともあります。
改まって時間を取って相談するのではなく、些細なことでも連絡をもらい、すぐに対応できるような関係性が構築できればいいなと思いながら日々接しています。
プライベートでの交流では、家族で旅行に行ったこともありますがそれは珍しいケースで、多くは平日にご飯に行くことが多いです。
ちょっとした時間でも声がかかれば出かけるようにはしていますが、事業に取り組む時間が何よりも大切なので、こちらから積極的にお誘いすることは少ないです。ただ、少し砕けたコミュニケーションを意図的に取っていきたいとは思っています。

(写真:不定期に開催している投資先との野球観戦)
魅力を感じる起業家はどのような人ですか?
仕事の話をイキイキとしてくれる人は魅力的だなと感じます。ある意味で使命感に駆られているのかもしれませんが、事業に魂が込められているのが伝わってくるというか。辛いことは本当に日々起こると思いますが、それ以上に事業に向き合い、仕事に邁進する姿は見ていて痺れます。
あとは、自己認識をしっかり持ちつつ共同創業者(社員含む)へのリスペクトがある人です。やはり「誰とやるか」も非常に重要だと思っているので、自分の弱みを認識し、一緒にやるメンバーをリスペクトできる人だと良いですね。
どうしても投資面談になるとお互い構えてしまい、本音の部分がなかなか見えてこないこともありますが、何気ないコミュニケーションややり取りの中で信頼関係が垣間見えると「あぁいいなぁ」と思います。
今後の展望とスタートアップ起業家へのメッセージをお願いします!
投資家になった理由の一つでもありますが、自分の子供や孫の世代が今以上に幸せな世の中になるサービスや事業に投資をし、支援していきたいと思っています。
今の日本は、なんとなく将来に対して悲観的なニュースが多く報道されているようにも感じますが、これも一つの転換点なのかもしれません。私は、これからまだまだ良くなる可能性に満ちていると捉えています。
どこに事業のアイデアがあるか分かりませんし、目に見えるものだけ解決しても本質的解決には結びつきません。そのような環境だからこそ大胆に、大きなチャレンジをする起業家を応援していきたいと思っています。
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