
2024-03-08
インタビュー
エンジニアが正当に評価され、日本発のテック企業が台頭するために
エンジェル投資家 柄沢聡太郎さん
Startup Next編集部がお届けする、今をときめく!投資家インタビュー。志を持って活動される投資家のみなさんのバックグラウンドや考え方に、一歩踏み込んでご紹介しています。今回はエンジェル投資家の柄沢聡太郎さんにお話を聞きました。
柄沢聡太郎
スターフェスティバル株式会社 取締役CTO
中央大学大学院卒業後、ソフトウェアエンジニアとしてグリー株式会社に入社。その後2011年株式会社クロコスを共同創業、2012年にヤフー株式会社へ売却。2015年株式会社メルカリに参画、執行役員CTO及びVP of Engineeringとして技術領域全般を統括しエンジニア組織20人規模から数百人規模、そしてプロダクトの急成長に貢献。2020年2月よりスターフェスティバル株式会社に執行役員CTOとして参画、同年9月より取締役就任。投資条件や投資実績がわかる!柄沢聡太郎さんの投資家プロフィールはこちら👇(顔写真をクリックするとプロフィールを閲覧できます。)
柄沢さんが審査員をされる「QWS STARTUP AWARD 2025」の応募は2025年1月14日(火)まで!

まずは、柄沢さんについて教えてください!
スターフェスティバル株式会社取締役CTOの柄沢です。
学生時代からとにかくコードを書くのが好きで、コードを書くかご飯食べるかゲームしかしていませんでした。当時からソフトウェアエンジニアとしてグリー株式会社に入社後までエンジニア仲間と色々なサービスを作っていたのですが、「この中のどれかをビジネスとして育てていけないか?」と話になることも度々ありました。
ただ、僕含めメンバーは全員ただのエンジニアだったので、株式会社とはどういうものでビジネスはどう進めるのかという経営周りの知識は全くなかったんです。
そんな時にけんすうさんが繋いでくださり、当時楽天にいらした小澤隆生さんと知り合うことになります。自分たちでサービスをやってみたいという熱量が高まる中、小澤さんが「こんなビジネスアイデアがあるんだけど作ってみないか」と打診してくれて、彼のアイデアを具現化する形で起業に至りました。それが株式会社クロコスです。
小澤さんが「絶対に伸びる」と確信していただけあって市場選択も方向性も良く、サービスは順調に伸びていき、あっという間にヤフー株式会社へ売却することになりました。本当に運が良かったと思っています。
その後、ヤフーの子会社の社員としてしばらく働く中で「これからどうしようかな」と考えていた時、当時社員が80名ほどのメルカリにお誘いいただき、CTOとしてジョインしました。
5年後の2020年2月にスターフェスティバル株式会社に執行役員CTOとして参画し、9月に取締役に就任して、今に至ります。

(写真:IVS2023 KYOTOにて)
柄沢さんがエンジェル投資を始めたきっかけは何ですか?
エンジェル投資を始めようと思った理由は2つあります。
1つ目は、メルカリを辞めた直後くらいから、日本でも「エンジニアがちゃんとお金持ちになる」スタートアップが増えてほしいと思うようになりました。自分はたまたま会社を成長させる方法やお金の使い方を知る人に運よく出会って、敷かれたレールをひたすら走ったらうまくいきましたが、大半はそうではないという感覚があるんです。
ベイエリアでテック企業が大きく成功できるのは、投資家も元々エンジニアであったり、 スタートアップを成功させた経験のあるエンジニアが次の世代のエンジニアに投資する好循環があることが1つの理由だと思います。
一方で日本のスタートアップは、エンジニアリングにあまり詳しくない投資家がエンジニアリングのできないスタートアップやエンジニアがいないスタートアップに投資していたり、 EXITしたけどエンジニアが株を大して持っていなかったりします。エンジニアが報われる構造になっているとは言えない状況です。
裏を返せば、投資をする側の人に技術がわかる人が増え、価値があるものを生み出せるエンジニアがチャンスを得て稼げる日本になれば、次の技術に対する投資も増え、テック企業が成功しやすくなるはずです。
そのサイクルを作るために、まず自分が起業するエンジニアや共同創業メンバーとしてしっかり株を持ったCTOがいる会社に対して積極的に投資をしていきたいと思い、エンジェル投資を始めました。
2つ目は、僕自身やりたいことも作りたいものもたくさんある中で「世の中ってもっとこうなるべきだよな」と課題に感じることが数多くあることです。自分だけで全てはやりきれないので、エンジェル投資を通じて自分が取り組めていない課題解決を応援できたら、という思いです。
現在はどのような企業(または人)に投資をしていますか?また、投資先とはどのような関わり方をしていますか?
ソフトウェアプロダクトを作っていて、社長がエンジニアもしくはエンジニアの経営メンバーがちゃんと株を持っている企業という条件は一応設けています。
あとはもう好みの問題で、自分が興味のある領域に出資しています。例えば、建築DXやブライダルDXなどの、まだソフトウェアが入り込んでない領域は好きですね。逆に、人材系や広告系の領域などはわざわざ自分が出資しなくてもいいかなと思っています。
投資先との関わり方ですが、自分からは「何かあったらいつでも相談してほしい」と伝えています。頻度は投資先次第です。こまめに連絡をくれる投資先もありますし、本当に困った時に連絡をくれる投資先もあります。
支援内容としてはエンジニアリングの相談に乗ったり、エンジニア採用や組織作りのアドバイスをしたり、プロダクトの立ち上げの考え方などをお伝えしたり、フェーズに応じて様々です。
また、吉祥寺でP2B Haus (ピーツービーハウス)というクラフトビールレストランを出しているので、その場を自分も同席する形で採用候補者との会食に使ってもらうこともあります。一緒に飲みながら「スタートアップにジョインするってどういうことだよ」と迷っているエンジニアの背中を押したり、「今の会社とフェーズがどう違うからどんな違いがあるよね」とリアリティをお伝えしたりしています。

(写真:CTO/VPoEのコミュニティ #P2BCTO)
魅力を感じる起業家はどのような人ですか?
1つ目は、興味のある領域を諦めないアツい気持ちがある人です。
例えば、結婚や保育園に子供を入れるタイミングのように、一生に何度もないけどその渦中がすごく大変なことってありますよね。僕は「喉元過ぎれば系」と呼んでいるのですが、そういうものに対して自分が乗り越えた後も「これは変えないといけない!」と強い気持ちを持ち続けられる人は素敵だなと思います。
2つ目は、広い視野と高い視座を持ち合わせている人です。エンジニアリングとビジネスを繋ぎ合わせて課題を解決していくためには、この両方が必要だと感じています。
「世の中の課題はこれだ!」と「この技術が面白い!」が掛け合わさると「この技術を使えばこの課題はこう解決できる!」になるじゃないですか。そういう意味では、起業しているエンジニアが大好きだという話になりますね。エンジニアが起業している時点で、その両方を持っている証拠だと思うからです。
今後の展望とスタートアップ起業家へのメッセージをお願いします!
ものを作ることもエンジニアリングも大好きなので、生涯現役でいたいです。ずっとチャレンジする側、作り続ける側の人間でありたいと思っています。
ビール屋のようなリアルビジネスも面白いので続けていきたいですし、スターフェスティバルはIPOして次のステージに進んでいくと思うのでそれも面白いですし、自分でも今事業を立ち上げ中です。
また、僕がやりきれない部分の課題を解決しようとされている方や、単純に応援したい方はエンジェル投資という形で支援し続けていきます。
起業家の方へのメッセージは、シンプルですが「僕も一生作り続けるので、一緒に世の中良くしていこうぜ!」ですね(照)

(写真:WEB+DB PRESS創刊22.9周年パーティにてビールを振る舞う柄沢さん、忽布古丹で周年ビールを仕込む柄沢さん)
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