2025-12-04

      資金調達の事務負担を軽くする!スタートアップ経営者が知っておきたいBPaaSという選択肢

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      スタートアップの成長において、資金調達は避けて通れない重要なマイルストーンです。ただ、 その裏側で長年経営者を苦しませてきたのが、「資金調達の社内実務負担」と、それを解決する「専門人材の採用難」というジレンマでした。

      資金調達の裏側にある、膨大な実務。「資本政策」「事業計画」「投資契約などの契約書レビュー」「DD対応」「株主総会」ーー。 これらを全て社内リソースだけで賄おうとして、本来向き合うべき「事業」や「顧客」へ費やす時間が削られているケースが多々見受けられます。

      そこで本記事では、多くのスタートアップ支援を行ってきたスマートラウンドの経験をもとに、社内人材とBPaaS(コーポレート代行サービス)を組み合わせた「資金調達を乗り越えるチーム体制」を、スタートアップのフェーズごとに解説します。

      なお、企業によって人材リソースの状況は異なるため、必ずしも本記事のような体制が必須になるとは限りません。

      ただ少なくとも、
      資金調達の実務を社内リソースだけで乗り越える自信がない
      資金調達経験のあるコーポレート人材を採用したいけど、なかなか応募が来ない

      といった課題をお持ちの経営者の皆様には、今後の体制作りにおける選択肢の一つとして、お役立ていただけるかと存じます。ぜひご一読ください。

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      1. 【シード期】 経営者 +「外部リソース」体制

      シード期といえど資金調達の実務は負荷が重く、経営者のリソースを圧迫していきます。また、多くの起業家にとって初めての資金調達であるケースが一般的で、それゆえにしっかりとチーム体制を構築して臨むことが重要になります。

      チーム体制例 CEO + 専門家 + コーポレート代行サービス(BPaaS)

      経営者(CEO)が本来集中すべきは「顧客」や「事業」です。特にシード期であれば社内のリソースも限られているため、資金調達の実務についてもBPaaS(コーポレート代行サービス)との連携が有効となります。 

      例えばスマートラウンドの提供する「BPaaS(コーポレート代行サービス)」のような代行サービスや、スタートアップに強い専門家との連携も視野に入れる必要があります。

      具体的な連携のイメージは以下のとおりです。

      ① スタートアップ専門の弁護士・司法書士(スポット)との連携
      投資契約書など契約書面のレビュー(弁護士)や増資の登記手続き(司法書士)など。不利な条項の排除や、知財の権利関係の整理を行い、将来の成長を阻害しない法務基盤を固めます。

      特に「優先株の内容」や各種条項の設計は非常に専門的です。スタートアップ実務に詳しくない専門家に依頼すると、次回以降の調達が困難になる不利な条件を見落とすリスクがあります。

      法務リスクを回避し、確実にクロージング(手続完了)させるために、スポットであっても「スタートアップに強い」プロを選ぶことが、将来のリスクヘッジに繋がります。

      ② スタートアップ専門の会計士/税理士(顧問)
      単なる記帳代行ではなく、資金調達に伴う減資の検討や、「将来のExit」を見据えた資本構成について戦略的な助言を行います。

      「資本政策は後戻りできない」とよく言われますが、同時に「資本金の額」も税務戦略上、非常に重要なポイントです。

      例えば、資金調達によって資本金が増えると税制優遇が受けられなくなるケースがあるため、調達と同時に「減資」の手続きが必要になることも少なくありません。将来のDD(デューデリジェンス)に耐えうる会計処理の基礎固めや、こうした専門的な税務判断を仰ぐためにも、早い段階からの連携が望ましいでしょう。

      ③ BPaaS(コーポレート代行サービス)の活用
      日々のコーポレート事務(株主名簿の管理、資本政策表の管理、新株予約権原簿の管理、各種書類の整理)を正確に実行するために、コーポレート代行サービス(BPaaS)の活用も有効です。

      前述の通り、資金調達時の社内実務は多岐に渡りますが、CEOがその事務作業に忙殺され、本来向き合うべき「事業」や「顧客」への時間が奪われてしまうことは、会社にとって大きな機会損失になりかねません。

      一方で、シード期であれば専門人材を正社員として採用するほどの業務量はないことも多く、適切な人員配置が難しいのも事実です。

      だからこそ「スポットの専門家(弁護士・会計士など)」と「日常の重要事務を任せるコーポレート代行サービス(BPaaS)」を組み合わせるのが合理的な体制構築の一つと言えます。

      なお、コーポレート代行サービス(BPaaS)は、あくまで事務代行とデータ管理のサポートです。登記手続きや法的な最終判断、税務申告は、必ず連携する専門家の先生に行っていただきます。

      BPaaSが間に入り、専門家が必要とする資料を完璧に準備することで、専門家とのやり取りもスムーズになり、結果としてコストや時間の削減につながります。


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      補足:「専門外の知人頼み」と「CEO兼事務担当」はリスクが高い?

      シード期のコーポレートにおいて、以下のような課題や失敗ケースが発生しがちです。これらは多くの場合でリスクや機会損失につながるため、注意が必要となります。

      ケース1:「まだ早い」と判断し、不慣れな「知人」への依頼や「自己流」契約で失敗する
      自分たちには「まだ早い」と専門家を一切使わず不利な投資契約を結んでしまったり、「親戚の税理士」や「専門分野が異なる知人」など、スタートアップ・ファイナンスの勘所を押さえていない専門家に依頼して時間を浪費してしまうケースです。

      この場合、知人であること自体が悪いのではなく、「スタートアップ・ファイナンスへの専門性」がマッチしていないことが、将来的なリスクになります。

      ケース2:CEOが「慣れない重要業務」に忙殺されることによる機会損失
      CEOが慣れない重要業務に忙殺されるのは、特に深刻になりがちな課題です。

      本来なら顧客と向き合い、事業開発をすべきCEOが、株主名簿の作成、資本政策表のメンテナンス、投資家との契約書の整理、そして(設置していれば)取締役会の議事録案の作成といった業務に忙殺されてしまう状態は、大きな機会損失につながってしまいます。

      資金調達の社内実務は「頻度は低いが、ミスが許されず、かつ緊急度が高い」ことが特徴であり、経営者の貴重なマインドシェアを奪う要因となります。

      「人を雇うほどではないが、自分がやるのは非効率で怖い」という典型的な悩みの種になりがちなので、こういった業務こそ、外部パートナーとしてのBPaaS(コーポレート代行サービス)に依頼をすることで、本当に集中したい「顧客」や「事業」に向き合うことが可能となります。

      2. 【シリーズA】 「管理部長・コーポレート責任者」+「外部実行チーム」による強固な布陣

      シリーズAを迎えると、資金調達におけるコーポレート実務の負荷や複雑さが格段に上がります。シード期とは違い、「過去の実績と未来の蓋然性(数字)」に加え、「法的な整合性とガバナンス」が厳しく問われるようになるからです。

      KPIの深掘りや精緻な予実管理はもちろんですが、「J-KISSの株式転換手続」や「本格的な株主間契約書や投資契約書(SHA/SPA)への対応」「種類株主総会の開催」など、法務・コーポレートセクレタリー実務の難易度と量が跳ね上がります

      チーム体制例 CEO × 「管理責任者(CFO候補)」× 「コーポレート代行サービス(BPaaS)」

      シリーズAからBにかけて目指すべきは、CEOからファイナンスおよび法務・総務機能を切り離すことです。ただそうは言ってもいきなりは難しいことも多いため、最初から完璧なCFOがいない場合は、「外部リソース」を活用することで、その機能を果たすチームを作ることが可能です。

      具体的な役割は以下のとおりです。

      ① 内部(キーパーソン) 管理部長 / コーポレート責任者(CFO候補)
      経営メンバーと共に数字(予実・KPI)を管理し、バックオフィス全体の構築をリードするポジションです。「DD対応および投資契約交渉のPM(プロジェクトマネージャー)」を担うこともあり、一定の専門知識や実務経験を保有していることが前提となります。

      CEOと対等に議論し、資金調達時には投資家からの質問に回答できるような責任者クラスの採用が理想です。彼らが社内の数値や実務状況を正確に把握しているからこそ、CEOは自信を持って未来を語り、投資家と向き合うことができます。この段階では必ずしも財務のプロである必要はありませんが、CEOと深い信頼関係で結ばれていることが、円滑な連携の鍵となります。

      ② BPaaS(コーポレート代行サービス)の活用
      管理責任者の右腕としての実行部隊となり、また時には不足知識も補ったり全体スケジュールを管理する役割を担います。

      DD資料のフォルダ整備だけでなく、資金調達時の社内実務サポート、取締役会や株主総会の運営など、膨大なコーポレートセクレタリー業務を代行・サポートします。また、この段階でコーポレート代行サービスを活用するメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

      ⒈スピードと専門性(特に法務・コーポレートセクレタリー領域)の確保
      シリーズAの投資契約やJ-KISS転換は非常に複雑です。経験豊富な専門スタッフがサポートすることで、法的な手続きミスを防ぎ、スムーズなクロージングを実現できます。

      ⒉責任者の戦略集中(CFO機能の補完)の手助け
      定型業務や専門実務をBPaaS(コーポレート代行サービス)が支えることで、管理責任者はより戦略的な業務(予実分析やCEOのサポート)に集中でき、結果としてチーム全体で「CFO機能」を発揮できるようになります。

      ⒊信頼強化
      必要な資料が手元に無かったり、定款が古いまま変更がなされていなかったりすると、投資家からも指摘が入り不信感に繋がりかねません。 コーポレート代行サービス(BPaaS)を活用することで、正確なデータ管理とスムーズな機関運営を行い、DD時の投資家からの信頼強化にも繋がります。

      ③ 外部(継続) スタートアップ専門の弁護士・会計士/税理士
      シリーズAの投資契約書には、将来の経営権に関わる「拒否権(Veto Rights)」や「優先分配権」など、経営の自由度を左右する重要な条項が含まれます。これらを「経営者の味方」としてチェックしてくれる顧問弁護士の存在は非常に重要です。

      シリーズAで経営者(CEO)にとって有効なのは、まずは信頼できる「管理責任者(またはCFO候補)」を採用し、その実行部隊として「BPaaS(コーポレート代行サービス)」をアサインした上で、信頼できる専門家と連携できる状態を作ることです。これにより、内部のチームが少人数でも高いパフォーマンスを発揮できる環境が整います。

      よくある課題の紹介:「CFOの採用難」と「管理責任者の疲弊」

      このフェーズの経営者は、事業の急拡大と採用強化に加え、高度化する資金調達実務の多くを抱え込み、業務過多に陥りやすくなります。以下に、抱えがちな課題と理想的なチーム体制を紹介します。

      よくある課題① フルスペックのCFO採用に難航する
      優秀なCFO(財務責任者)の採用は難易度が高く、シリーズAの段階で採用できるケースは稀です。仮に管理部の経験者を採用できても、「資金調達実務」や「株主対応」は経験がない人材だった場合、CEOの負担は減らない可能性があります。

      よくある課題② 採用した責任者が「コーポレートセクレタリーの事務タスク」に忙殺される
      仮に優秀な「管理部長」や「CFO」を採用できたとしましょう。ところが、せっかく採用できた責任者がDD対応に加え、「J-KISSから株式への転換計算・通知」「種類株主総会の運営」といった、高度かつミスの許されないコーポレートセクレタリー業務に彼らが忙殺されては本末転倒です。 彼らが本来やるべき「予実管理の高度化」や「内部統制の準備」といった「上位業務」に時間を使えなくなってしまう恐れがあります。

      これらの課題を解決するためにも、コーポレート代行サービス(BPaaS)の活用は有効です。コーポレートにおける不足を補い、CFO候補が本来集中すべき戦略業務にリソースが割けるように、それ以外の事務手続きをサポート可能です。

      3. 【シリーズB以降】 「内部チーム」と「外部」のハイブリッド体制

      シリーズB以降は、調達額が数十億単位になり、「上場(IPO)」や「M&A」が現実的な選択肢となってきます。組織は急拡大し、「ガバナンス」や「内部統制」が厳しく求められるようになるでしょう。

      チーム体制例 コア業務は「内部」、専門実務は「外部」

      このフェーズの経営者(CEO)の仕事は、現場の実務から離れ、「組織とビジョン」の浸透や、IPO・M&Aをも見据えた「非連続な成長戦略の意思決定」へとシフトしていきます。

      CFOは「攻めの財務戦略(IPO, M&A, IR)」に集中することになり、その体制を支えるコーポレート部門は、「内部」と「BPaaS(コーポレート代行サービス)」のハイブリッド型が効率的である場合が多いです。

      ① 内部(キーパーソン)であるCFO(戦略財務)
      CEOの「右腕」という枠を超え、CEOと共に企業価値を最大化する「戦略パートナー」としての役割を担います。単なる管理業務の統括者ではなく、以下のような攻めのファイナンスを実行します。

      1.エクイティ・ストーリーの構築と対話
      IPOや大型調達を見据え、国内外の機関投資家に対して自社の成長物語をロジカルに説明し、適正なバリュエーションを獲得する。

      2.非連続な成長の仕掛け人
      M&Aや大規模な業務提携(アライアンス)のソーシングから実行、PMIまでを財務面からリードする。

      3.全社的な予実管理とKPIマネジメント
      事業の進捗をリアルタイムに把握し、投資対効果(ROI)を最大化するための資源配分を決定する。

      ② 内部(専門分化) 経営企画 / FP&A / 法務(コア人材)
      事業の解像度とスピード感が求められる「思考」と「判断」の業務は、内部で採用すべき機能です。

      経営企画 / FP&A(Financial Planning & Analysis)
      CFOの戦略を数値に落とし込み、事業部門と連携して現場のKPI達成を支援します。予実差異の分析だけでなく、「どうすれば目標達成できるか」のアクションプランまで踏み込みます。

      法務・コンプライアンス
      ビジネススキームの適法性チェックや知財戦略など、事業成長に直結する法務判断を行います。また、上場審査に耐えうる規程整備やリスク管理体制の構築も主導します。

      ③ コーポレート代行サービス(BPaaS)の活用
      ここでのBPaaS(コーポレート代行サービス)は、IPO準備や内部統制で発生する「専門的かつ定型的な事務局業務」や「ミスが許されない手続き」を切り出し、外部のプロフェッショナル実行部隊として活用できます。

      具体的には、ストックオプションの管理、定時・臨時の機関決議(取締役会・株主総会)の運営代行、監査法人対応のための資料整理などが挙げられます。 これらを社内だけで抱え込むと負荷が大きいだけでなく、「担当者の退職によるブラックボックス化」のリスクがあります。

      専門知識を持つBPaaS(コーポレート代行サービス)を活用し、「作業プロセスを外部化・標準化」しつつ、「最終的な承認・判断を社内で行う」体制を作ることは、内部統制上の「職務分掌(牽制)」の観点からも有効に機能します。

      ④ 外部(新規) 監査法人・主幹事証券会社
      IPO準備において欠かせないパートナーですが、彼らはあくまで「監査」や「審査」をする立場であり、会社側の実務を代行してくれるわけではありません。

      監査法人
      財務諸表監査と内部統制監査を担当します。ショートレビュー(予備調査)を経て、通常は直前々期(N-2期)から正式な監査契約を結びます。

      主幹事証券会社
      公開引受業務や審査業務を担い、IPOのスケジュール管理やエクイティ・ストーリーの助言を行います。


      注意すべきポイント:急増する管理コストと「IPO準備室」のパンク

      このフェーズでは、IPO準備や内部統制の構築のために、コーポレート業務が増加する傾向にあります。ただし、IPO準備室、内部監査室、経営企画室など、これらすべてを正社員で採用しようとすると、管理コスト(固定費)が大きくなりすぎるリスクがあります。 

      また、SO(ストックオプション)の発行・管理、監査法人対応、複雑化する株主総会運営 など、専門的かつ高度な実務に対応できる人材の採用は困難なケースも少なくありません。だからこそ、専門性を持ったBPaaS(コーポレート代行サービス)の存在が不可欠となります。

      もちろん外部に依頼することが難しく社内で完結すべき業務もありますが、BPaaS(コーポレート代行サービス)を活用することで効率的に進められる業務も存在します。様々な選択肢を検討した上で、最もスピーディーかつ無駄のないチームを作っていくことが重要です。

      4. まとめ 資金調達は最適なチーム体制づくりから

      シード、シリーズA、シリーズBと、フェーズごとの最適なチーム編成について解説してまいりました。以下に、改めてまとめさせていただきます。

      シード期
      CEO + 最小の専門家 + 「コーポレート代行サービス(BPaaS)」(慣れない重要事務のミスゼロ化 )

      シリーズA
      CEO + 管理責任者(CFO候補) + 「コーポレート代行サービス(BPaaS)」(責任者の実行部隊 )

      シリーズB以降
      CEO + CFO + 内部コアチーム + 「コーポレート代行サービス(BPaaS)」(専門実務のスケーラビリティ確保)

      リソースが少ないスタートアップにとっては、自社のフェーズを冷静に見極め、「内部採用」「外部専門家」「BPaaS(コーポレート代行サービス)」という選択肢を組み合わせ、強いチームを編成することが特に重要です。「任せるべき専門家」と「使いこなすべき外部リソース」を正しく見極めること。それこそが、多忙なスタートアップ経営者に求められる戦略の一つと言えます。

      スマートラウンドのコーポレート代行サービスは資金調達の事務をはじめとしてコーポレートセクレタリー全般をサポート可能です。少しでも興味がある方は、以下から資料をダウンロードいただけます。少しでも気になる方はお気軽にダウンロードください。

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